予想外の言葉に、パソコンの画面とにらめっこしながら、ニューヨーク行きの航空券を、必死に検索していた私は、思わず手を止めた。
『桜ですか。。。、』パソコンの画面から、目を離し、彼女を見て、そう問いかけた私に、70歳を過ぎた淑女は、にっこり微笑んだ。
1912年、日本とアメリカの友好関係を祝うため、東京からワシントンDCへ、約3000本の桜が贈られたことは、有名である。
ニューヨークからワシントンDCまで、アムトラック(電車)で、約3時間ほど。やさしい笑顔のその女性は、そこに桜を見に行きたいと、私に言ったのだ。そのために、ニューヨークへ行きたいと。
まだまだ、寒い日の続いていた、ある日の昼下がり。いつもと変わらない職場で、パチパチパチパチとキーボードを打ちこみ、画面に猫背ぎみの私は、その女性に惹きつけられてしまった。
さらに、女性は続ける、『ホテルはね、マンハッタンのビル群が見渡せる、街の中心の最上階。そこで、私、お昼寝するのよ』っと。まるで、いたずら好きの女の子のように笑いながら。
『素敵ですね』口下手の私から出た言葉。
心からそう思った。
ニューヨークまで、片道、直行便でもおよそ14時間。航空券代金は、その時、約15万円程だったと思う。
粋な買い物。
接客が終わり、『ありがとうございました』っと頭を下げる。少し足を引きずって歩く彼女の後ろ姿を見ながら、彼女がその場所を訪れる、その日に、満開の桜が咲きますようにと、祈らずにはいられない、そんな午後のひとときでした。

この間提出した、課題で怒られないか、実はびくびくしている第43歩目。(・・;)))
旅のエッセイいつか、書きたい!