真言宗の瞑想 | 吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

茨城県石岡市にある真言宗豊山派の摩尼山吉祥院です。
ふるさと茨城路百八地蔵尊霊場第九十一番札所に指定されており、
開山約900年の歴史を持つ由緒ある寺です。
境内の四季折々の風情や仏教について、幅広い情報を発信するお寺ブログです。

密教には

月輪観(がちりんかん)」や

阿字観(あじかん)

という瞑想法があります.

 

マインドフルネス瞑想とも

禅宗で修される坐禅とも

異なった瞑想法です.

 

梵字で書かれた「ア」という字が

真丸の月輪の中に描かれ

それが白蓮華に乗っかっている姿

 

それをご本尊として

自身の目の前に置き

禅定に入っていくというものが

阿字観です.

 

一方の月輪観とは

単に丸い月を目の前にして

瞑想する観法です.

 

密教の行では悟り,真理の世界を

何らかのシンボル,象徴物を用いて表現し

我々はそれによって気づきを得ていきます.

 

阿字は何を象徴しているかは

難しいので,詳細は説明できませんが

 

簡単に言えば

全ての存在の根本は「阿」であり

それは清浄であり

真理そのものであるということです.

 

月輪はというと,

1.清浄(清らかであること)

2.清涼(清く涼しげであること)

3.光明(全てを照らす仏の智慧)

 

のシンボルであるとされます.

 

そして

1の清浄は,欲を離れること

2の清涼は,怒りの熱を冷ますこと

3の光明は,愚かさを無くすこと

 

という特性があります.

 

欲・怒り・愚かさ

という3つの根本煩悩を離れるということです.

 

月輪観では,月輪を見つめ

自身の心も月輪の如く

これら3つの特性が備わっている

 

ということを感覚的に

悟っていくものだといえます.

 

仏教で説かれる教えは

理論的に理解することはもちろん大事ですが

感覚的に理解するための実践も

必須です.

 

密教の行法はなかなか一般には

広まっていませんが

深く学んでみる価値はあるものです.

 

南無大師遍照金剛

 

吉祥院(茨城県石岡市)(@kichijoin_manizan) • Instagram写真と動画

 

吉祥院副住職, 興健|note

 

瞑想会を 12月19日(日)に行います。

両日とも時間は、8:45~9:45です。

ご予約は以下からお願いいたします。

予約内容の選択|吉祥院リンクairrsv.net