震災の記憶 | 吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

茨城県石岡市にある真言宗豊山派の摩尼山吉祥院です。
ふるさと茨城路百八地蔵尊霊場第九十一番札所に指定されており、
開山約900年の歴史を持つ由緒ある寺です。
境内の四季折々の風情や仏教について、幅広い情報を発信するお寺ブログです。

たまたまテレビをつけると

東日本大震災に関する番組が

放送されていました。

 

そういえば、もうじき

3月11日を迎えます。

 

私自身、当時は衝撃を受け

身の回りではいくらかの被害が

ありましたが

 

福島や宮城の、特に津波の被害と

震災後の大変な生活の映像を観ると

全く比較できるものではないなと

感じます。

 

取材されていた方が

当時の携帯に残っていた写真を見て

涙を流していました。

 

忘れかけていた記憶が

呼び戻されたのです。

 

人間の性質を考えてみると

人の死にあったときなどもそうですが

悲しみや苦しみの記憶というのは

時間とともに少しずつ薄れていくものです。

 

それによって、また前を向いて

人生を歩んでいけるようになるのでしょう。

 

日本はご存知の通り、地震の多い国で

世界で起こる地震の1/10が

日本で発生しているそうです。

 

そしていつまた、大きな地震が起こるかも

いまはまだ予測できません。

 

忘れかけた時こそ

当時のことを思い返すことなどによって

自然の恐ろしさ、力の大きさを

再確認することが大事なのだと思います。

 

それによってわれわれができ得る

災害への対策を考えていくべきだと

いえます。

 

未知の活断層の発見や

技術開発によって

地震発生の精度を高めることも

必要なことですが

 

自然は完全に支配し

コントロールできるものではない

という現実を直視することも大切なことです。

 

また、まさに諸行無常で諸法無我

この世界をより心豊かに生きていくために

仏教が説く教えは少なからぬ役割を

果たしてくれると思います。

 

南無大師遍照金剛