仏教は平等主義です。

階級の差別をつくりません。

これは、お釈迦さまの時代からの

仏教教団の大きな特徴です。

 

当時のインドでは

カースト制度が広く根強くあって

生まれながらにして身分階級が

決まっていました。

 

階級は職業と結びついたもので

バラモン階級

王族や貴族(クシャトリヤ)

農民や商人(ヴァイシャ)

奴隷(シュードラ)

の四つの階級に分けられます。

 

これらの四つの階級が長い間で

3000ほどにまで細かく分けられたとされます。

さらにこの四つの階級の下に

不可触下層民という階級があり

かれらは人の仲間には

含まれないような扱いがされました。

 

また、異なった階級の間では

結婚することはおろか

共に食事をすることもできません。

シュードラは一定の距離以上

バラモンに近づくことはできず

バラモンは他の階級の作った食事を

食べることはないといいます。

 

カースト制度は独立後のインドでは

法律的に禁止され、今ではないことに

なっていますが、実際のところは

それがまだ残っているようです。

 

このような風土の中で仏教は生まれ

教団にはどの階級のものでも

平等に教団に入ることができました。

仏教はある特定の階級や

種族などにではなく全人類に平等な

教えであることを示しています。

 

このような教えは現在では当然のこと

かもしれませんが当時のインドでは

驚くべきことだったと考えられます。

 

また、仏教では

人間の心の問題を深く考察した教えが説かれ

さらに無神論を主張します。

これらのことと平等主義というのは

仏教の大きな特色といえます。