
高層ビルが立ち並び、バイクと車がひしめく首都ジャカルタ
人は、人と触れ合うから元気になり、励まし合うから前進できる。拡大の勢いを増すインドネシアでも、そうした触発の場である座談会が、元気に開催されている。
バンテン州 タンゲラン・メガ支部

タンゲラン・メガ支部の座談会参加者が、会場の前で(昨年9月)
●この地の広布は私たちの手で
首都ジャカルタから、南西の山間部へ車を走らせること約2時間。砂ぼこりの舞う山道の先、ニワトリが自由に駆け回る一軒家に到着した。座談会場の、レンニョーさん(支部婦人部長)宅である。
同支部は、インドネシアの弘教・拡大を先駆してきた。毎月、地区座談会に加えて、支部でも座談会を行っている。
司会は、13歳の女子未来部員であるヨラさん。「最後まで歓喜あふれる会合にしていきましょう!」と、原稿を打ち込んだ赤いスマホを片手に進行を務める。
勤行の後、学会歌「今日も元気で」を皆で歌い、「松野殿後家尼御前御返事」の御書講義、体験談、折伏の活動報告などが続く。
皆の話を、レンニョーさんは嬉しそうに聞いていた。
1982年から信心を始め、夫妻で信仰に励んできた。2003年、地域広布の会場にしたいと、現在の自宅を建てた。心臓の病を患っていた夫は、一昨年に亡くなった。病院でもベッドで題目を唱え、安らかに今世の使命を終えたという。
本部長のヘンドリックさんは、この支部について、「メンバー数は128人。そして、2018年に入って、この座談会までに54人の入会者が誕生しました」と。その拡大の歓喜が、座談会の端々に表れていた。
座談会が終わる時、司会のヨラさんが、参加者の思いを代弁するように、記者を見つめて言った。
「どうか、池田先生と奥さまに伝えてください。私たちの、感謝を。そして、『この地の広宣流布は、私たちの手で成し遂げます』と」
ジャカルタ パンタイ・インダ・カプック(PIK)地区

皆が歓喜を語る、パンタイ・インダ・カプック地区の座談会(昨年9月)
●師匠の指導の通り弟子が行動・実践
PIKはジャカルタ北部の、ホテルやレストランが連なるウオーターフロント地域。このエリアでも、新来者を交えて、夜の座談会が行われていた。
地区部長のアントンさんが、機関誌「ソウカスピリット」を用いて御書講義を行う。「松野殿とは――」「『一眼の亀』は――」。丁寧な解説を、皆が顔を上げて真剣に聞いている。
御本尊を受持して2カ月だという女子部員が、生活の悩みを早くも克服しつつある体験を発表すると、感動を抑えきれないといった面持ちで、何人かの参加者が、次々と自分の体験を語りだす。数人続いたところで「ちょっと時間が押していますので……」と司会が会合の流れを軌道修正。笑いが起こった。
女子部コーナー。「今日は師弟不二について考えたいと思います」と、女子部本部長が、布と大きな模型の針を取り出した。
「たとえるなら、師匠はこの針。そして弟子は、針に通してある糸です。針が糸の通る道をつくり、糸が後に残って、布を縫い上げていくのです」
その様子を実演して見せながら、“師弟不二”を分かりやすく説明する。「このように、師匠の指導の通りに、私たちは行動、実践していきましょう!」。大きな拍手が送られた。
その後も、自分の思いを語りたい参加者から、発言や質問が自由に飛び交う。支部長のテディさんが「今月も積極的な参加に感謝します。本当に活気ある会合になってうれしいです」と締める頃には、座談会の時間が、80分に及ぼうとしていた。
バタム島 バロイ地区

バタム島の広布拡大をけん引する、バロイ地区のメンバーたち(昨年9月)
●「法華経の兵法」で拡大の波を
シンガポールから約20キロのバタム島には、ジャカルタと同じくらいのメンバーがいる。島の中心街ナゴヤの一角に位置するバロイ地区は、広布の発展をリードする地区だ。
午後7時半からの座談会に向けて、会場となっているダニーさん(支部長、地区部長兼任)の自宅には、メンバーが車やバイク、徒歩で集まってきた。
勤行の後、インドネシア語で学会歌「広布に走れ」を元気に。ところが、途中でDVDが止まってしまうアクシデントが。笑いが起こりつつも、皆の歌声は途切れるどころか、一段と大きくなる。
その生命力のまま、男子地区リーダーのスルヤ・ダルマさんが、機関誌「ソウカスピリット」の巻頭言を朗読し、「『負けじ魂』で仏子に尽くせば、『法華経の兵法』の真髄を発揮できる」との池田先生の指針を学ぶ。その内容について参加者と司会が、感想や意見を語る。中国系のメンバーが多く、インドネシア語とともに、潮州語(中国語の地方語)も使われる。
男子部員のケルフェンさんが、高校時代から目指していた大学に不合格になったが、それからさらに真剣に題目をあげるようになり、希望通りの就職を勝ち取ることができたと、涙ながらに体験を語った。
「先生の指導の通り、御本尊を疑わず、祈り、努力を重ねた時、必ず道が開けるのだということを知りました」。ケルフェンさんの言葉に、大拍手が響いた。
本年9月、ジャカルタで「法華経展」の開催が予定されている。ダニー支部長は「ここに向けて、さらに拡大の波を起こそう」と。皆が“インドネシア広布新時代”への決意を新たに、会場を後にした。
(2019年3月23日 聖教新聞 https://www.seikyoonline.com/)より