生誕120年 藤田嗣治展 in広島県立美術館 | かものはしの口遊〜くちずさみ〜

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島根から札幌に来て18年目。相方、娘に猫(雌)も加わり、居場所が徐々に奪われていく様子を口遊みます

今日も暑かった…。
せっかく呉にいるのに呉にこもってるのも勿体ないんで、昼から広島県立美術館へ。
今やっている「藤田嗣治展」の評判を聞いたんで行ってみようと路電で八丁堀まで行ったあたりから、あれだけ晴れてた空がアッという間に真っ暗。あれ?これはヤバいか?と思いながら縮景園方面へ歩いておると、空からゴロゴロ…

ええっ?雷??いやいや、夕立ちにはまだ早いですよ?こんな時間に降ったら夕立ちじゃなくて朝…




…………いやいや、昼だった。
降り出す前に何とか到着。何事も無かったかのように書き込みを続けるかものはし。

さて、藤田嗣治の生誕120年という事で県立美術館で展示しているらしいが、正直この人は全然知らんかった。
ただ、こういう個人の展示会ってのは、その人が描いた順番に絵が並んでいて、その絵を描いた頃の背景や暮らしぶりとかが年表にして展示されていて、それを見比べていくとその人の人生や生き方、主義や手法の変化などが観てとれて、そういうのと見比べながら見て行くのが面白い。
この藤田さんも、若い頃から巴里に渡って、乳白色を巧みに使って評価されていたにも関わらず、途中から手法がガラッと変わったり、戦時中には戦争絵画を描いて戦犯扱いを受けたりと多難で太く長い人生を歩んでおった。ただ、そういう生き方って本望だったろうな…って、そんなふうにわしは感じた。

わしは絵心がある訳じゃないし、絵を見ても「いいのぉ」くらいしか分からんし、どっちかと言うと人物画よりも風景画のが好きなんだが、人物画の多い藤田さんの作品も良かった。
ただ、それ以上に一番良かったのが戦争絵画で、『アッツ島玉砕』と『サイパン島同胞臣節を全うす』のふたつ。
リアルというか以上に圧倒的な存在感。そんな玉砕現場や自決現場におった訳じゃないだろうに色々と伝わってくるような絵画に見とれてしもうた。ドラマや映画を見ているように、一枚の絵からこれだけ色々伝わってくるんだなぁと感じるような絵に出会ったのはいつ以来だろう。しばらくこの2点の前で色々考えながら思いを馳せておりました。
いやいや、これを見ただけでも1300円払った甲斐があったわ。

藤田嗣治の作品だけで100点近く展示されてたんじゃないだろうか。すごく見応えがあった。
しかもそのまま所蔵展へも行けたんで見て来たが、さすが広島県立美術館。島根県立美術館とは所蔵の数が違う。これもかなりの見応え。広島出身の絵描きさんの絵がたくさんあった。

ただ、絵画はともかく彫刻はわしはまだ見る目がないのぉ。
作品名を見ても、それがどうしてそうなのかとか全然分からん。『顔』とかいうタイトルでもどう見ても顔に見えん。強いていえば未確認生物といったところかのぉ。
蒔絵の箱もちょっと豪華なお菓子の箱にしか見えんし、お盆もどのご家庭にもあるようにしか見えん。これはもう少し目を慣らしてから来ないと芸術家さんに相当失礼


帰り、駅に到着したらちょうど呉行きの快速がやってきた。
呉線の乗り場へは階段を上っていかねばならん。これは間に合わんのぉ…と思い、仕方が無いから鈍行で帰ろうと思っておったら、まだ快速待ちの行列が出来ておる。どうやら昼の大雨の影響か、電車に遅れが出てるらしい。助かった。やはり日頃の行いかのぉ。

ただ、本来乗る乗客+αが乗ったもんで、快速は満員電車になってもうた。満員電車なんて久しぶりじゃのぉ。福岡におったころはよく乗っておったが、しばらく立っておったらダルくなってきた。大学の頃はむしろ立ってる方が気が楽で立ってたんだがのぉ。年は取りたくないものよ。


CMを見てたら…やばいよぉ、はんぺんズ
よ~しローソンよくやった。キャンペーン期間中はわしはローソンの下僕と化してやろうではないか。