寒さの意外な真実
12月も中旬。いよいよ寒くなってきましたね。
寒いと動きたくなくなるし、ヒートショックも危ないし、
「冬は嫌い!」と憂鬱な気分の方も多いかもしれません。
けれど、寒さによって「代謝が良くなる」なら、
この寒さもまんざらではなくなる・・・かもしれません。
今回紹介する論文は
科学雑誌「Nature Metabolism」で発表された研究です。
体重が気になる15人(男性と更年期を過ぎた女性)に協力してもらい、
次のような実験を行いました:
どんな実験?
- 期間:10日間
- 内容:毎日1時間、体が少し震えるくらいの寒さを体験する
- 場所:医師や研究者が管理する安全な環境で実施
いや、どんな実験やねん!?
罰ゲームみたいな実験ですが、大まじめです。
どんな結果になったの?
10日間の実験で、参加者の体に次のような変化が見られました:
- 血糖値(血液中の糖分)をコントロールする力が上がった
- 朝一番の血糖値が改善した
- 血液中の脂質(脂肪分)の状態が良くなった
- 血圧が下がった
え、なんだか健康になっている
!!?
寒いだけなのに!!
なぜこのようなことになったのか
ポイントは「震えを伴う寒冷順化(Cold Acclimation)」です。
寒冷順化とは?
体が繰り返し寒さにさらされることで、環境に適応していく生理的な過程のことです。簡単に言えば、「体が寒さに慣れていく仕組み」です。
体ではどんなことが起きるの?
- 「震え」という運動
- 初期:比較的高い温度で震えが始まる
- 順化後:より低い温度でないと震えが起きなくなる
- 代謝の変化
- 基礎代謝が上がる
- 体温を維持するためのエネルギー効率が改善
- 血液循環(血のめぐり)の適応
- 末梢(手足など)の血流調整が効率的になる
- 体の中心部の温度維持が上手くなる
- 褐色(かっしょく)脂肪組織の活性化する
- 脂肪細胞には白色と褐色の種類があるんです。
- 寒さに反応して熱を作り出す特殊な脂肪組織が活性化する
- 熱を作ることでエネルギー消費が増加する
去年の冬の初めを思い出してください![]()
- 最初は寒くてたまらない
- 数日後には同じ温度でも平気に感じる
これが寒冷順化の一例です。
この研究では、適切な寒さ刺激が体にどんな影響を与えるのか、
科学的に示すことができたことが評価されているのです。
まとめ
寒さでちょこっと健康になれるかもしれない。と思うと外にでかけるのが少し楽しみになりますね。
もちろん、寒さで体調を崩すこともよくあること。この実験は十分に安全に配慮した状況で行ったものです。
風邪や寒暖差、ヒートショックに気をつけつつ、
少しずつ体を慣らすのがポイントです。
寒いからといっておうちにこもるだけでなく
少しずつ体を動かしてウチから温めていきましょう![]()
ワンポイントアドバイス
・寒さには少しずつ慣らしていきましょう。
・冬も定期的に体を動かしましょう。
・風邪には要注意です
引用文献:
Sellers AJ, van Beek SMM, Hashim D, et al. Cold acclimation with shivering improves metabolic health in adults with overweight or obesity. Nat Metab. 2024 Dec 6. doi: 10.1038/s42255-024-01172-y.
注意点
- このブログでは健康に関する情報を発信します。
- 分かりやすさを大切にしているので、医学用語を簡単にしたり、しくみを簡略化したりと医学的に正確でない表現があります。
- 特定の病気などで医療機関を受診されている方は担当の先生や医療スタッフの方に相談し、そちらの指示を優先することをおすすめします。




