突然ですが、ここで問題です!
この手術器具の用途は何でしょう??
これは獣医師であれば誰もが、頻繁に使用する手術器具です。
金属の棒のようですが、先端がフックのように曲がっています。
正解は
「子宮釣りだし鉤」(しきゅうつりだしこう)です!
この超シンプルな器具は、避妊手術で大活躍してくれます!
避妊手術の目的臓器である子宮と卵巣は、お腹の奥深くにあります。
イメージとしては、背中の方にあります。
そこで子宮釣りだし鉤を用いて、お腹の深くから子宮を「釣りだして」くるのです。
トートバッグの奥にあるお財布を取りだすことを想像してください。
奥にあるものを取り出すには、バッグを大きく開けなければなりませんよね?
避妊手術でも同じです。
お腹の奥深くの子宮を取り出そうとすると、お腹を大きく開けなければなりません。
それでは傷口が大きくなってかわいそうですよね。
しかし、子宮釣りだし鉤を使用すれば、小さい傷口で、奥の方にある子宮を引っ張り出して来れるのです!
実際に使用している光景です↓
動物の体の大きさに合わせて、様々なサイズがあります↓
実際の手術では、小さな傷口から子宮は見えません。
私たち獣医師は、長年の勘と、釣りだし鉤から伝わる感触を頼りに子宮を引っ張りだしてきます。
皆さんが、すこしでも「へ~」と思ってくださればうれしいです。