犬がお尻を床に擦りつけるときは、
肛門嚢炎という病気かもしれません!
<肛門嚢って?>
犬には肛門嚢という袋があります。
肛門の左右にあり、臭い(香しい?)分泌物を溜めています。
トリミングサロンや動物病院でも「肛門嚢しぼり」と言って、内容物を出すケアがありますよね。
<肛門嚢炎って?>
我々獣医師にはメジャーでも、案外飼い主さんが知らない病気の一つが「肛門嚢炎」です。
肛門嚢炎は、肛門嚢に細菌が感染し、膿が溜まる病気です。
症状としては
① お尻を床にコシコシ擦り付ける
② この間しぼったばかりなのに、すぐに溜まってしまう
③内容物の色がいつもと違う!(トリマーさんが気づいてくれることが多い)
などがあります。
酷くなると、破裂して膿が流れ出てくることもあります。
<実例紹介>
ヨークシャーテリアのWちゃんは、
「お尻を床に擦りつける」という症状で来院されました。
肛門嚢を絞ると、少し緑がかった分泌物が出てきました。
これは明らかに肛門嚢炎を起こしている時の色調です。
肛門嚢炎のおすすめの治療法は、肛門嚢に薬を注入することです。
抗生剤を含む軟膏を、細いプラスチックの管を使って注入します。
慣れないと少し難しい処置です。
この治療をすると、大抵は治癒します。
痒みがとれて、肛門嚢しぼりの回数も減らせます。
「うち子、肛門嚢しぼりをしても、すぐに痒くなっちゃうのよね」という方。
もしかしたら肛門嚢炎かもしれません。
気になる方は動物病院へ!