猫に独特の病気が

膿胸(のうきょう)です!

 

胸にドロドロの膿が溜まる恐ろしい病気です。

 

原因の多くが他の猫とのケンカです!


野良猫に多い病気ですが、家猫でも起こります。

複数飼育されている方はご注意下さい猫オッドアイ猫黒猫

 

<膿胸の原因と症状>

 原因のほとんどは、猫同士のケンカです。

 

相手の猫の牙や爪が胸に深く刺さった場合、

そこから胸の中全体に細菌感染が拡大します

 

ドロドロの膿が胸に貯留して、呼吸困難となり来院します。

 

<実際の症例>

メインクーンのSちゃんは、ぐったりして呼吸が早いということで来院しました。

 

来院時は意識も朦朧としており、敗血症(全身に細菌毒素が回ってしまう)状態でした。

 

緊急対応として、胸に針を刺し、膿を抜きました。

注射器に溜まった液体の色を見てください!

 

まるで濃厚・豚骨ラーメンのスープのような膿が抜けました。

その量なんと400ml!!


ちなみにとても臭いです!


こんなものが胸の中にあるなんて、いつみても恐ろしいです。


 

状態が落ち着いたところで次の手を打ちます。

 

膿胸の治療で重要なのは胸腔洗浄です!

胸を閉鎖環境にしないために、数日間、胸の中を洗浄します。

 

まず胸腔ドレーンというチューブを設置します。

 

かつては全身麻酔で設置していました。

しかし最近では海外製のドレーンを使用しており、無麻酔で設置が可能になりました。

膿胸の猫は全身状態が悪いことが多いので、無麻酔は有難いことです。

 

 

チューブから点滴液を入れて、胸腔を洗浄し、点滴液を回収します。これを胸腔洗浄と呼びます。

 

点滴液を入れて、、、

 

洗浄後の点滴を回収してきます

 

数日間胸腔洗浄と抗生剤投与を実施しました。

 

洗浄液は日に日に綺麗になります。

膿が出なくなったら、ドレーンを抜きます。

 

Sちゃんは元気に退院していきました拍手

 

どんなに仲の良い猫同士でも、喧嘩になることはありますよね?

 

複数飼育されている方はご注意ください。

 

具合が悪く、呼吸が早くなったらすぐに動物病院へ行きましょう!