<犬だって一病息災!>
犬にも肝臓癌はあります!
肝臓癌は症状が現れにくいです。
したがって早期発見できる唯一の方法は、健康診断です!
これは飼い主さんによくお話しすることですが、
「持病のある子は長生きする」という法則があります。
持病のある子は動物病院にくる頻度が高く、色々な病気を早期発見できます。
その結果、案外長生きしてくれるものです。
反対にうちの子は病気を全然しない!という飼い主さんは意識的に健康診断を受けてくださいね
<肝臓癌の手術、実例紹介>
シーズーのP君は、持病である心臓病の定期検診で来院されました。
お腹を触診すると・・・拳大のしこりに触れました。
そう、肝臓癌です。
獣医師の手はたくさんの病気を発見できます
標準的な大きさのシーズーちゃんから、こんなに大きな腫瘍が出てきました!
私の手と比べてください↓
かなり大きいですが、無症状でした。
さて、肝臓の手術をする際に大活躍!するのが、
超音波手術装置である「ソノキュア」という機械です。
この機械は「柔らかいものを超音波で破砕して吸引し、弾力性のあるものは破壊しない」という特徴があります。
肝臓は、肝臓本体(柔らかいもの)に、多くの血管(弾力性あり)が埋め込まれている構造をしています。
ソノキュアは肝臓本体を吸引しますが、血管は残してくれます。
肝臓は血流量が多く、出血しやすい臓器です。しかしソノキュアを使えば大丈夫。
肝臓本体を吸引することで↓
血管を露出してくれます↓
露出した血管を丁寧に処理すれば出血はほとんどありません。
実際の手術写真です↓
肝臓から血管を露出させています。
露出した血管は、血管シーリングシステムで封鎖します
この繰り返しで、無事肝臓癌は摘出されました。
定規と比べてください。大きいですよね!
その後、Pちゃんは元気に退院されました。お疲れ様でした!
<まとめ>
① 肝臓癌は症状が少ないまま、進行します。定期健診を受けましょう!健康な子ほど要注意!
②ソノキュアなどの医療機器があると、手術スピードや出血量が全然違います。医療にとって、機器は力なり、です。