長い準備を終えて、いよいよ実際の歯の治療に入ります。

 

⑤スケーリング(歯石除去)

 

超音波スケーラーという機械を使用して、歯石を除去します。

歯医者さんで聞こえるキーキー音はこれです。

 

歯石がガンガンとれて、気持ち良いです

 

⑥歯周ポケットの歯石除去

 

実は外から見える歯石は、それほど悪さはしません。

歯周病治療の本丸は、歯周ポケットの歯石です。上差し

ここの歯石を除去することは極めて重要です。

 

⑦抜歯

犬の場合、歯周病がある程度進行しています。

従って多くの場合は抜歯が必要になります。

 

抜歯も非常に難易度の高いものもあります。

 

⑧ポリッシング(研磨)

歯の表面は実はザラザラになっています。

この状態では歯垢がつきやすいため、最後に歯の表面を磨きます

 

青いペーストで荒研磨

 

黄色のペーストで最終研磨

 

数多くのステップを踏んで、ようやく歯周病治療が終了しました。

 

歯周病治療と一言で言っても、実はこれだけ多くのことをしています。

皆さんの想像以上ではないでしょうか?

 

治療が大変だからこそ、飼い主さんに喜んでもらえた時の嬉しさはひとしおです!ニコニコ

 

すばらしいスマイル!です。

 

 

犬の歯周病治療はここまでしてます!

 

飼い主さんと獣医師の間で、

「歯周病治療」の認識に大きなズレを感じることが多いです。

 

歯の治療というと、「簡単な治療」というイメージがあります。

 

飼い主さんのイメージでは「歯医者さんに行く」くらいの感覚の方が多いです。

 

しかし、犬の歯周病治療は、非常に「手間暇がかかる治療」なのです!

 

この写真のように、歯がきれいになるまでのプロセスをみていきましょう!

 

 

 

①麻酔前検査

 

動物の歯科治療は麻酔が前提です(ここが人間と大きく違うところの一つ!)上差し

 

麻酔リスクの評価のため、詳しい検査をします。

 

②口腔内写真撮影

 

治療内容の記録と、飼い主様への情報提供のため、ビフォーアフターの写真を撮ります

 

③歯科レントゲン撮影

 

歯周病治療は歯根の状態が重要です。従って、全ての歯のレントゲン検査をします。

 

犬の歯は人間より多いです。沢山の歯を正確に撮影するのは非常に大変です。

 

 

 

④プローピング検査とデンタルチャート記入

歯周ポケットの深さで、治療方針が変わります。

1本の歯に対して、最低6カ所!

 

歯医者でよく聞く、

「イチ、イチ、ニー」

「キンシン、エンシン」

みたいなやつです。

 

ここまででようやく準備完了です。

まだ実際の治療はしていません!

きちんとした歯の治療は、治療の前段階でこれだけの準備が必要なのです!!ニコニコ

 

ここから、いよいよ治療に入ります。

続編に続きます!

 

 

モルモットのKちゃんは、ごはんが食べにくいという症状で来院されました。

 

口のなかを覗くと、

やはり奥歯(臼歯)に異常がありました!

 

左右の臼歯が伸びすぎて、アーチのようになっています!

 



臼歯が伸びる病気は、様々な草食動物でよくあります。

しかしこのようにアーチのようになるのはモルモットだけです。

 

このアーチのせいで、舌が動かしにくくなっています。

これではかわいそうですえーん

 

麻酔をかけて、歯を削ります。

 

 

手術後の様子です↓

臼歯が正常になり、舌が自由に動けるようになりましたニコニコ

image

 

Before Afterの比較です

 

モルモット飼いの方は、歯には要注意です!

年に二回は動物病院で歯をチェックしてもらいましょうね。