2月17日 | こころ咲し

こころ咲し

昭和の体育会系とツッパリを貫く(笑)、アラフィフおなごのひとりごと♡

朝起きて、いつもどおりに窓を開け、換気。
 
そんな朝のルーティン、だけど、昨日はちょっと、いつもと違う。
 
それは、空に向かって少しおしゃべり。
 
 
朝食のあと、仕事の支度をして、冷蔵庫を確認。
 
「うん。発泡酒、ちゃんと冷やしてる」
 
そして、出勤前、額の中の写真に、
 
「じゃ、行って来るね」
 
そう言って、仕事へ。
 
 
昨日も表はヒマ、でも、裏はドタバタな職場。
 
いつもどおり、強気と三枚目を貫いて、帰宅。
 
仕事モードから自分に戻り、
冷蔵庫から発泡酒を取り出し、
用意してたMDをコンポで流す。
 
 
 
昨日は、しんゆう…真友・心友、Cokoちゃんの命日。
 
 
彼女と出会ったのは、SNSなんて無かった時代、
 
WindowsXPを購入した事がきっかけで、
私が立ち上げたBlack Cultureの"ホームページ"の掲示板に、
彼女が書き込みをしてくれた事がきっかけ。
 
ホームページには"日記"(ブログではありません)のコーナーがあり、
更新すると、Cokoちゃんは毎度掲示板に感想を書いてくれてニコニコ
 
それから、パソコンのメールアドレスを交換、
日々のメール交換が楽しくてね…。
 
「ねえねえゆかりちゃん、あたしもホームページ、作ろうかなぁ~?」
 
そのお話に、二つ返事でホームページ立ち上げに協力してニコニコ
 
そして、携帯電話の番号を交換。
 
当時の私は、結婚~離婚してからも、某地方に住んでいて、
それでも地元の東京にはちょくちょく帰っていて、
一方Cokoちゃんは横浜に住んでいたので、
何度目かの電話の時、東京に行く話をしたら、
Cokoちゃんと、今では日常の、オフ会となりましたクラッカー
 
私より一つ年上の彼女とは、まぁ~話が合いまして音譜
 
彼女が何故、私のホームページに書き込みをしてくれたのかというと、
彼女のご主人がBlack(こういう表現あんまり好きじゃないんだけどさプンプン)だったのラブラブ
 
彼女のお家に行けば、彼女のダーリン=Alexくん(仮名)が、
あたし達をおもてなししてくれる音譜
 
それ以来、Cokoちゃんと何度も会ってたある時、
 
「ねえゆかりちゃん、あたし達ってさぁ、
親友…いや違う、心の友、真実の友っていう意味のしんゆう…
そう思わない?そうだよ!!ねっ?」
 
うんうんニコニコ
 
Cokoちゃんはとにかくポジティブ。
 
私は、表では破天荒、姐御肌、三枚目なんてしてるけど、
心根は、ねぇ…。
 
Alexくんとの話、そして、Black Cultureの話、
それだけじゃなく、Cokoちゃんとはおなご同志…というより、
人としての話がとにかく充実してました。
 
一番は、彼女のポジティブさ。
 
それが、ある日、彼女と一緒にいてマッタリしてた時、
 
いつもの様に、
 
「ねえゆかりちゃん、あのね」
 
「ん?どした?」
 
 
その後、彼女が言った言葉
 
 
「あたしね、癌なの」
 
 
あの時の彼女の声、そして表情は、今でも鮮明に覚えてる。
 
 
そしてあたしは、
「えーーーーー!!!???」なんて、取り乱したり、
おいおいと泣いたりなんて、しなかった。
 
仕事モードの「強気」…いや、ある意味「正直=素」に、
「癌だって色々あるしさ、治る話だっていっぱいあるしさぁ」
と、まずは治療に専念してもらいたい、
その一心で、そんな返事をした…と思います。
 
 
それが、このあと聞いたのは、Cokoちゃんの癌は、末期でした。
 
 
それからは何とかして住んでいた某地方から横浜に住んでいる彼女に会いに行き、
いつもどおりの会話、大笑い…を繰り返してたけど、
それがままならぬ様(横たわったりフラフラしたり)になった時、
ご主人(ダーリン)のAlexくんとCokoちゃんから言われました。
 
 
「ゆかりちゃん、あたしね、余命3ヶ月なんだって」
 
 
 
じょーーーーーーだんじゃねぇよ!!!!
 
ざけんな!!!!!!!
 
 
なんて言って、Cokoちゃんの病が治るなら、
あたし、いくらでも叫べる。
 
 
Alexは、Cokoちゃんの隣でずっと泣いてた。
 
 
「それでもね、もしかしたら、もう少し生きれるかもしれないんだって!
だったらさ、あたし、頑張っちゃうよぉ~~!ね?ゆかりちゃんビックリマーク
 
 
この時は11月でした。
 
 
「ねえねえAlex、いつもゆかりちゃんと聴いてた歌、MDに録音してよ~~!」
 
と、Cokoちゃんから言われたAlexくんは、1枚のMDを作ってくれました。
 
 
それから暫くCokoちゃん&Alexくん宅でマッタリ過ごしたけど、
そろそろお暇しなきゃ…な時間。
 
「Alex、駅までゆかりちゃん送って来るね!」
 
駅までの道のりをCokoちゃんと一緒に、
ちっちゃなお子ちゃま達が遊んでいる、
小さな公園の砂場の横を歩いていたら、
 
Cokoちゃんが突然、泣き崩れました。
 
 
「あたし、死にたくない!!!」
 
 
「大丈夫。Cokoちゃんはね、これからも、
Alexくんやあたしを心配する役目なんだから、当分死ねないよ〜音譜
 
 
やっと言った言葉は、めちゃくちゃチープ。
 
 
それなのに、Cokoちゃんは、
 
「そうだよね?Alexもそうだし、ゆかりちゃんも心配しないと!
あたし、治療を越えて、これからも生きるから、ねっニコニコ
 
その言葉に、
 
「そうだよ!悪いけどさ、これからもアタシ、Cokoちゃんに甘えるから。
そうだ!年越したら、みんなでお花見しようよ!!
お花見弁当はあたしが拵える!約束だよ?お花見、ねっ?」
 
そう言うと、Cokoちゃんは、
 
「分かった!じゃ、次にゆかりちゃんと会うのはお花見ねっ♪」
 
鼻をすすりながら、笑顔でそう言うCokoちゃんを、
あたしはただ、抱きしめるしかありませんでした。
 
 
以後、入院したCokoちゃんは、Alexくんに会えないこと、
そして、彼女が立ち上げたホームページの更新が出来ないことが、
どれだけ残念か…そんな話を、病院の公衆電話で、話してくれました。
 
「大丈夫!Cokoちゃんのホームページの掲示板は、
あたしが管理してるからね♪」
 
確かに。
 
彼女が最後に更新した日記は、ちゃんと理由を綴っていたから、
その後の掲示板の書き込みには、あたしが返信してて…。
 
 
そして2月のある日。
 
夜、22時ぐらいにかかって来た、Cokoちゃんからの電話。
 
いつもの様に、他愛ない話で盛り上がっていたら、
 
「あのねゆかりちゃん」
 
と、それまでのトーンから一気に落とした声で、
 
 
「今日ね、検査を受けたの。でね、あたし、やっぱりダメなんだって…。実は…本当はね、電話も禁止されてるの。でね、今日はゆかりちゃんにお願いしたい事が3つあるの」
 
 
ひとつは、
「自分に素直で、正直でいてね」なる、あたしへ。
 
ふたつめは、
「Alexをよろしくね。こう言う事、本当に嫌だけど、Alexがもし、黒人であるがゆえ、差別とかあったら、それで何かあったら、ゆかりちゃん、その時はお願いね!」
 
 
(みっつめ…これは、未だ果たせずあせる)
 
 
携帯電話の向こうから聞こえる、10円玉が落ちる音…
 
 
Cokoちゃんの"3つのお願い"を聞き、「分かった!全部アタシに任せときな!!だけどさ、同時に、Cokoちゃん分かってる??アタシと花見に行く約束!!」
 
 
「うん。ゆかりちゃんがお弁当作るんでしょ?楽しみだなぁ~~~ラブラブ
 
 
 
涙が止まらなかった。きっとCokoちゃんは、知ってたんだよね。
 
 
「やば!誰か来る!ゆかりちゃん、頼んだからね?じゃ…またね!笑顔で、元気でいてね!ポジティブだからね!?」
 

それがCokoちゃんとの最後の会話でした。


2月17日、朝4時。
 
 
Alexからの電話で、約束した『お花見』は行けない…
Cokoちゃんが天国に旅立ったこと、知らせてもらいました。

34歳でした。
 
その後、火葬という文化の無いAlexが、何としても愛妻の火葬を阻止したいという気持ちと、何度もお邪魔した、CokoちゃんとAlexが住んでいた横浜のマンションは、Cokoちゃんのご両親が出資してたので全て取り上げられ、彼は「他人」とされたご遺族とのやりとり…そんな事が続きました。


以後、Cokoちゃんの命日には、毎年Alexに連絡したり、時々会ったりしてたけど、新しい仕事が朝晩逆の仕事、そして忙しいと聞いてから、ここ数年は連絡していない。


 
 

 Cokoちゃんが選曲して、Alexくんが作ってくれた、MD。昨夜はこれを聴きながら、Cokoちゃんと撮った写真を見ながら献杯。


実は昨夜この記事を書いてたんですが、収拾つかなくなったので保存して寝て、今、出勤前のコーヒーショップで書いてます。


今日の1曲


 

MDの6曲目。「いいよね〜」って言いながら、ソファーでCokoちゃんに腕を組まれながら、Alexと3人で合唱したっけ照れ

頑張らないと。元気に、そして、ポジティブにビックリマーク