
その道のプロ、マイスター、匠、大御所、神様などと呼ばれる人たちは、本人独自のアナログな知恵を属人的財産として所有しています。
「教えない、学べない、だから盗め」といわれますが、盗まれる本人たちは、盗まれることに危機感を持っていない人が本物だと思います。本物なら、簡単に盗めるわけがありません。本物なら、盗まれても、財産をすべて失うことはありません。
IT技術とか特許とか、工業製品、ビジネスモデルとかは、仕様やアイデアを盗まれると優位性がなくなってしまうものがほとんどですが、アナログの暗黙知は、本物であれば、心配ご無用ということです。
暗黙知は、その人にとって、特定の場所で、その時に身につけたもので、それゆえに意味と価値があるものです。第三者が別の場所で別のタイミングで異なる環境でまねしても、本来の価値は再現できないでしょう。
ベテランやトップセールスマンは、成功の秘訣を聞かれても明確に答えません。なぜ成功したかは、理屈で説明できないようです。反対に、失敗事例の場合は饒舌になります。言い訳が次々にでてきます。
暗黙知には漏洩の心配がありません。その人だけに意味のある知恵ですから、他人が盗んでもアナログなゴミとなるにちがいありません。