202106-325:曲がって、止まればいい♪ | 団塊世代の"愚考にため息"

団塊世代の"愚考にため息"

ふと思い出す過去の出来事と後悔。次々と、浮かんでは消えていく愚考を書きとめていけば、いつかはネタ切れになるはず。きっとその後は、良き日々の思い出だけが浮かんでくるにちがいない。


昔、イタリアのあるブランド売却でオーナーの話を聞いたことがあります。
なぜブランドを売却するのかと聞いたら、子供たちが後を継ぐ気がないからとの答えでした。次に売却額を聞きました。今風にいったら、年金に2,000万円足したぐらいの額で満足とのことでした。家族がカネに困らないで暮らしていける額でいいという答えでした。買い手のオファーはドルで8桁の数字でした。

2時間かけた食事のあとはラウンジで日付が変わる頃まで世間話をしました。
アルコールと時差ぼけでどんな話をしたかほとんど覚えていませんが、時々思い出すのは車の話です。
故障も雨漏りもしない日本車と見た目最優先のイタリア車の比較です。
同席したドイツ人もイタリア車に乗っていました。冬の朝、エンジンがかからないことがよくあるそうです。そのときはBMWを使います。機械だから故障するのは当たりまえ、イタリア車のエンジンがかからないのは想定内と言います。
そしてイタリア人オーナーが大事なことを教えてくれました。
車にとって最も重要なことは、ハンドルを切ったときに曲がり、ブレーキを踏んだときに停止すること。雨が降っていれば車内に雨が吹き込む、使っていれば塗装は剥がれる、エンジンが回れば騒音がする、夏は暑いし冬は寒い。
馬から車に乗り換えた国のユーザと、カゴから車に乗り換えた国のユーザの違いかもしれません。

コロナ感染がリバンドしている中で、欧米も日本の大規模イベント開催を不安に思っているとメディアが流しています。この国は太平洋で漂流する大型船のような感じです。ハンドルもブレーキも効かず潮流と風に流されて、嵐になれば沈没です。