快適ではなかったですが、それが当たり前のことでした | 団塊世代の"愚考にため息"

団塊世代の"愚考にため息"

ふと思い出す過去の出来事と後悔。次々と、浮かんでは消えていく愚考を書きとめていけば、いつかはネタ切れになるはず。きっとその後は、良き日々の思い出だけが浮かんでくるにちがいない。

ようやく梅雨が明けて、今度は熱中症のリスクが高くなってきました。エアコンや扇風機の風が嫌いで、窓を開けて風を通してしのいでいます。西向きの仕事部屋は高層住宅のおかげで暑さを感じませんが、それでも熱中症対策で水分の補給は欠かせません。

思えば、電気冷蔵庫がまだ普及していない頃はエアコンも扇風機もありませんでした。
我が家には網戸もありませんでした。

網戸がないので、夏になるとたくさん羽蟻が裸電球に集まり、舞落ちてくる羽蟻を食卓に水を張った洗面器で受けていました。ハエも蚊もいました。ハエはハエたたきで、蚊は蚊取線香を使いました。

今思えば、蚊に刺されていたはずですが、蚊にさされるまえに叩き潰していました。寝ているときにも蚊の羽音がすると無意識にはらっていたようです。子供の頃、蚊に刺された回数が大人になってから刺されたときにかゆみや腫れに差がでるとだれかがいっていました。

ポタリングの通り道にある住宅は、真冬の一時を除き、四六時中玄関のドアが開いています。網戸もありません。ちらっと見ると台所まで見えます。虫・野良猫の侵入や空き巣の被害などありそうですが、何年も開けっ放し状態が続いています。家人を見たことはありませんが、郵便ポストには新聞が入っていることがあるので、生活感はあります。

懐かしい昭和20年代の暮らしが続いているということでしょう。
決して快適ではなかったはずですが、それが当たり前のことでした。

吉野輝一郎