春風亭つながり | 団塊世代の"愚考にため息"

団塊世代の"愚考にため息"

ふと思い出す過去の出来事と後悔。次々と、浮かんでは消えていく愚考を書きとめていけば、いつかはネタ切れになるはず。きっとその後は、良き日々の思い出だけが浮かんでくるにちがいない。

清貧思想というのがあります。
その心は、清貧の暮らしを目指すというのではなく、他人の清貧は潔いという思いのようです。

笑点の司会者が春風亭昇太さんになりました。
昔、春風亭柳昇さんが弟子の婚礼の仲人をした際、友人として列席したことがあります。
新郎は、腹黒圓楽さんより1~2年先輩でしたが、真打になって数年後、噺家を廃業し、沖縄に移住しました。噂によると、苦楽を共にし真打昇進まで連れ添った奥様と別れ、現地でフィリッピン妻と暮らしているそうです。

廃業すると聞いて、真打にまでなってなぜ辞めるのか本人に聞きました。
答えは明快でした、噺家では食えないとのことでした。
噺家として周りに担がれても、人並みの収入が伴わないので暮らしていけないということでした。芸一筋に清貧に甘んじて生きることを望んでいる後援者たちは、実は自らは清貧を望んではいないことに気がついたようです。

ただし、長年の修行で習得した話芸を活用して、ネットワークを生かした権利ビジネスに活路を見つけたそうです。

吉野輝一郎