身の危険を感じたら | 団塊世代の"愚考にため息"

団塊世代の"愚考にため息"

ふと思い出す過去の出来事と後悔。次々と、浮かんでは消えていく愚考を書きとめていけば、いつかはネタ切れになるはず。きっとその後は、良き日々の思い出だけが浮かんでくるにちがいない。

少しの間、シャープと三菱自動車の動向次第で事業存続に深刻な影響がでる会社の従業員は、安眠できない夜が続くことでしょう。

東芝は国策上重要な原発関連の技術のおかげで生き延びることができそうですが、シャープと三菱自動車は代替可能な会社と評価されたようです。そのため、外国資本になって日本人従業員の雇用が激減しても、想定内ということになります。

シャープは台湾人が社長になり、本社のコストセンターの従業員削減は必至です。これからは、台湾系日本人が管理職に登用され、中国語を解しない在庫の管理職に明日はやってきません。私企業ですから、赤字会社を再建するために固定費を削減するのは極めて当然のことです。穴が開いて沈没しそうな船からは脱出しないと巻き添えになります。

自分なりの経験では、15年超勤めた会社の先行き不透明さにリスクを感じて、転職したことがあります。しかし、不測の事態が現実となったのは辞めてから15年後でした。当時の同期は何人も役員になっていました。残っていれば自分もなれたとは決して考えません。このままでは潰れてしまうと感じる会社と運命を共にするわけにはまいりませんから。

経営者でない限り、従業員が会社の近未来を憂い、何かをしようとしても限界があります。身の危険を感じたら、弱者は逃げなければいけません。経営者と一緒に逃げ遅れたら回復不可能な損失を被ります。

吉野輝一郎