中国が有人衛星を飛ばすまで、中国は低品質の廉価商品しか製造できないというのが世の中の定説でした。品質が悪いのは中国に技術力がないからと思われていました。有人の衛星を飛ばすようになると、この定説は揺らぎます。
昔、性能と価格で劣勢の米国車を日本に押し込むために、大統領が来日したことがあります。そのおり関西で移動するために使ったJEEPが故障した不祥事がありました。皮肉にも、日本製の車は安くて故障がほとんどないという日本ブランドが世界に発信されました。
日本ができない有人宇宙飛行を実現している米国・中国の技術力が、国民が日常つかう製品には活用されていないかというと、そうではなさそうです。
彼らは、商品は販売価格に見合うコストで製造します。儲けを圧縮しても、一定の品質を維持するという考え方はありません。それなりの商品はそれなりの原価なのでそれなりの品質となります。これが中華品質です。
日本でもホテル業界で、この考え方を導入して成功したことがあります。高級ホテルが、駅前に1010室の13平米のシングルルーム主体のホテルをつくりました。価格は会社の出張費で認められそうな上限で設定しました。低価格なので、部屋の狭さは許容範囲となり、ビジネスマンに好評となりました。都市ホテルが大規模ビジネスホテルをターミナル駅前につくる流れができました。
ただし、我が国のホテルは、中華品質では売れません。安くても、フロント係の接客は手を抜かず、施設の掃除やメンテナンスはしっかりとされていなければいけません。