工場生産ラインでつまみ食いが横行 | 団塊世代の"愚考にため息"

団塊世代の"愚考にため息"

ふと思い出す過去の出来事と後悔。次々と、浮かんでは消えていく愚考を書きとめていけば、いつかはネタ切れになるはず。きっとその後は、良き日々の思い出だけが浮かんでくるにちがいない。

農薬入り冷凍食品を出荷したアクリフーズ群馬工場のずさんな生産工程管理がマスコミ受けの良いネタを提供しています。


製品の味見は業務ですが、商品のつまみ食いは業務上横領の疑いをもたれます。
昔お世話になったホテルのメインキッチンでは、毎日料理長が出勤すると、その日に提供する料理を弟子たちが1人前用意して、料理長に味見をしてもらうのが日課でした。初めてその光景を目にしたとき、うらやましいと思いました。弟子たちの味と素材の検証をしているとは知りませんでした。


サービス業は、OJTが主流ですし、デスクワークという職種が嫌いで選んだ人たちの職場ですから、知らされるより自分で盗みとるぐらいの気持ちが求められます。今思えば、味見が業務上必要な理由を新入社員には論理的に説明してもらうべきでした。


職場でのご法度を順守するのが常識ではなくなってきたのは、年功序列がなくなり能力と結果のみを評価するようになったのが一因です。皿洗いはいつまでたっても皿洗い、嫌なら辞めればという風土が広がっています。その上、ボーナスが半減したら、不満が顕在化してしまいます。


いつの世も、結果には原因があり、農薬を混ぜた動機もあります。先行き不透明な待遇の従業員の不満を、「ごまめの歯ぎしり」と軽く見た上司は会社に巨額の損害を与え、そういう職場を放置した経営者はビジネスフィールドから退場となります。