週間進捗報告で、報告するほどの動きがなかったとき、通常なら「特にありません」と報告します。既得権益を守ることで利益を得ている組織の場合は、「特に異状なし」は期待される答えです。
エスタブリッシュメントの隙をついて利益を狙うベンチャー集団の場合は違います。「特にありません」ではライバルとの優位性が危うくなります。動きがないということは、支出はあるが収入がない状態かもしれません。
先頭集団から2位グループに落ちたとき、もう一度先頭集団に返り咲くのは困難です。倍返しでなければ元がとれなくなるからです。「疲れたから休む、どうせ相手も疲れているから遠くには行っていない」と油断するわけにはいきません。
そういうわけで営利を目的とする私企業では、「特にありません」ではなく、重箱の隅をつついてでも「何かしら報告する」ことを、求めているのかもしれません。