自分にはない発想―その2 | 団塊世代の"愚考にため息"

団塊世代の"愚考にため息"

ふと思い出す過去の出来事と後悔。次々と、浮かんでは消えていく愚考を書きとめていけば、いつかはネタ切れになるはず。きっとその後は、良き日々の思い出だけが浮かんでくるにちがいない。

何年か前のことですが、いまだにこの人のことを忘れさることができません。


あるホテルの商品管理データシステムを構築したときの、現場でのデータ入力担当者です。ときどきデータベースシステムが崩壊してしまうのではないかというミスをしてくれますが、笑顔がとてもかわいい好感度の高い女子です。履歴書によると四年制大学の英文科を卒業しており事務担当としては問題ないはずでした。ところが、足し算が得意ではないという致命的な弱みがあり、結局配置転換となりました。


折にふれ思い出します。
この人は、500+500を1万と入力しました。単なる入力ミスではなく、1万と入力したそうです。実生活では500円と500円を足すと千円ということはわかっています。PC画面上でのことなので、異質な発想法があったのではないかと推測しました。


5と5を足すと10なので、1をまず入力し、500と500にある4個の0を続いて入力したのではないかと推測。この人は数字をオブジェクト・画像として見ているのではないかと思いました。自分なりに新発見の発想法でした。


自分にはない発想法なので、すなおに感動し、そして合理的結論として、シングルバイトの仕事場から退出していただきました。