敵はこちらの一番弱いところを攻めてきます | 団塊世代の"愚考にため息"

団塊世代の"愚考にため息"

ふと思い出す過去の出来事と後悔。次々と、浮かんでは消えていく愚考を書きとめていけば、いつかはネタ切れになるはず。きっとその後は、良き日々の思い出だけが浮かんでくるにちがいない。

テストで高得点を狙う方法として、得意分野を伸ばす方法と弱点をなくす方法があります。得意分野では、すでに高得点を取っていますから、さらに得点を上乗せする余地は少ないので、弱点をなくして平均点をかさ上げして高得点をめざすという手法は、試験科目が多い場合に有効です。一方、2科目とか3科目という試験では得意分野に集中するほうが高得点につながります。これは、かつて、私立か国公立かのどちらを受験するかで定説であった受験勉強の戦術でした。昔話です。


今は様変わりして、少子化で人気のない大学は倒産や吸収合併など、私企業と同じ環境に置かれています。大学卒の肩書きは、中身が問われる時代になりました。高校と変わらないようなレベルの大学を卒業しても高度学歴社会では高卒並みに扱われてしまいます。さらには、同年齢の高卒社員に対して、4年の業務経験不足のハンディを負うことになります。


最近は、かつての大学受験の手法を次のように読み替えています。
1)成長期
長所を伸ばすことによって、全体のレベルアップをはかる。
2)成熟期
弱点を鍛え、劣化に歯止めをかける。
3)衰退期
弱点を補強して延命をはかる。


企業も人も、老化は特定の部分が先行して進むことで、全体の老化を促進させるそうです。元気なときは、壁の一番厚い部分にぶつかって、跳ね返されるたびに力をつけてきたのですが、成熟期からその先に至ると、こんどは、敵がこちらの一番弱いところを攻めてきます。


劣化と老化の戦いに美学など存在しません。弱点を補強して延命をねらいます。