感動したひとこま:きっとあの子供はいい子に育つにちがいない | 団塊世代の"愚考にため息"

団塊世代の"愚考にため息"

ふと思い出す過去の出来事と後悔。次々と、浮かんでは消えていく愚考を書きとめていけば、いつかはネタ切れになるはず。きっとその後は、良き日々の思い出だけが浮かんでくるにちがいない。

待ち合わせスポットのひとつ、新宿駅西口の交番前付近の通路でのひとこまをご紹介します。


ブランドショップの紙袋を肩にかけ、前に幼児を抱いた、小奇麗な若い母親が歩いていました。

歩きながら子供にジュースを飲ませていたところ、こぼしてしまいました。

子供の服にジュースがかかり、通路も汚れました。


母親はバッグとブランドショップの紙袋を路上に置き、子供を立たせて、まず子供の濡れた服を拭きました。

子供をしかることはありませんでした。淡々と汚れを拭きとっていました。


そこから思いがけないことがおきました。

母親はティッシュペーパーをだして、路上にこぼれたジュースを拭きとり始めました。

そして汚れたティッシュを通路のそばにまとめて置きました。

きっとティッシュはそのまま放置するのだろうと思っていたところ、なんと、バッグのなかからビニール袋を取り出して汚れたティッシュを拾って中にいれ、それをバックのなかにしまいました。


そして子供を抱え、バッグを肩にかけ、歩きだしました。


予想外の展開でした。一部始終をそばで見ていました。

うらやましく思いました。

同じ状況になったとき、果たして自分は人通りの多い通路でこぼしたジュースを当然のごとく拭くことができるだろうかと反省させられました。


きっとあの子供はいい子に育つにちがいないと思いました。

目の前を颯爽と通り過ぎる母親がまぶしく見えました。