団塊の世代の芸能人として、東大生でもあった歌手加藤某は、当時をふりかえって、全共闘運動をロックの集会と同じようにカッコいいファッションであり、楽しかったとテレビでコメントしていました。
運動の初期は政治的な目的を持っていたのですが、次第にファッションとして若者の間に浸透していったといいます。ロックコンサートと同じようなノリで、全共闘運動が全国のキャンパスで展開されたと説明し、重ねて、あの頃は楽しかったと懐かしんでいるようでした。どうやらこの人は、国際反戦デーの新宿騒乱罪も、成田三里塚も、パリのカルチェラタンも、フランシーヌの場合も、ベトコンと戦ったグエン・カオキも、そして、連合赤軍の総括も、すべてひっくるめて、古き良き時代の楽しい思い出として粉飾したいようです。
つらかったことは風化させ、よき思い出だけを懐かしむ。できる人はうらやましい。