若い頃に、勘違いをしたことがあります。明け方まで酒を飲み、2時間ほど仮眠をとった後、車を運転して帰宅しました。幸い何事もなく帰宅できたのですが、運転前に仮眠したため感覚的に日付がかわりました。物理的に2時間しかたっていませんが、主観的には翌日に運転したことになり酔いは醒めたと勘違いしました。これは酒気帯運転で法律違反です。右肩上がりの経済成長の時代の頃ですから時効成立。
当時、仕事は尽きることなく、毎年秋から年末にかけては、毎日終電を過ぎるまで残業しタクシーで帰宅するハードな仕事が数年間続きました。明け方まで残業して、2時間仮眠した後、翌日定時の始業時間から業務を再開していました。例外なく、職場の仲間が同じ毎日を繰り返し、これを名誉なことと考えていました。
2時間前までの残業の疲れは残っているはずですが、定時出社という掟にしばられ、午後出社は許されません。二日酔いの体調不良で午前半休をとるのは論外の会社では、徹夜明けの翌日でも平常勤務は当然のことです。ただし、能率は要求されませんでした。オーナーが必要と思ったときに、それにこたえられる社員が待機しているかどうかが重要でした。呼び出しがなければ、職場長のお情けで、徹夜明けの当日夜は残業2時間程度で帰宅が黙認されました。
こういう時代、こういう職場で「うつ病」に苦しむ従業員はいませんでした。年功序列に加え、本社と子会社採用の違いでお役所のようにキャリアとノンキャリアの暗黙の区別がありましたが、すべての従業員が来年は今年より給料が上がることを疑っていませんでした。事実、毎年昇給があり、若手登用などという株主対策もなく、年長者=上司というエイジグループが維持されていました。まじめに長く勤めればえらくなるということがお約束でした。
中には、不慣れで不得意な管理職の仕事に悩む年長者もいましたが、時間が解決しました。就業時間内に処理できなければ、翌朝までにやればすむことでした。要領の悪い管理職は、要領の良い管理職より体力が要求されますが、とにかく、当日の定時までに処理できない管理職は翌朝までに処理すれば問題はなかったのです。体力勝負をする「とろい」管理職は、夜遅くまで仕事をするハードワーカーだと、経営幹部が評価したような気がします。