記紀でも社史でも、勝者が編纂する歴史にかわりはありません。したがって、編纂時の勝者が過去の勝者を選択し、彼らの行った意思決定と結果に評価を与えます。敗者となった当事者の存在は、不当な評価を受け記録から削除されるか、簡単な記述で処理されます。
最近出版された、某企業の内幕をレポートした書籍に、知人の足跡が1行記載されていました。この人が在籍した期間は、この企業にとって暗黒時代とされています。頻繁なM&Aの中で生き残ったグループが、当時の顛末を総括する立場にあるので、きわめて当然な評価です。
真実はともかく、敗者側は現場で経験した事実の多くを語りません。別の選択肢があったことを詳細に述べることは、敗者の言い訳に聞こえることを嫌うからです。