オフショア(海外生産)のメリットを享受するために、先行投資と合わせて高い授業料を払い続けていた頃の話です。
1)海外生産
現在では、日本市場に適合する品質を低コストで安定供給できるようになった業界が増えています。昔は、製造コストの安い国で生産した(コスト競争力のある)製品に、国産品より少し安くなる程度に流通コストを上乗せして、日本市場で販売する商売が、生き残り方法の1つでした。高いと売れないからといって、国産品を値下げすると原価割れになるので、同じような商品を労働賃金の安い国から輸入して、利益確保の努力をしていました。
2)並行輸入
もうひとつの方法は、ブランド品の並行輸入でした。国内の正規代理店を経由する商売ではなくて、海外の、それも日本より物価の安い東南アジアの正規代理店もどきのエージェントから仕入れる方法です。これは、偽ブランド品ではなく、本物なのですが、流通経路なり販売ターゲットが日本ではない商品です。並行輸入品は、いまでは問題にする人はいませんが、中曽根内閣の頃は、ブランド品の流通のライセンス権をめぐって、製造元・輸入元・販売元・正規代理店などが、並行輸入業者ともめていました。したがって、当時は並行輸入は商売の王道ではありませんでした。
3)100円ショップ
日本市場がもとめる品質は、value for money ではありません。価格が安いからといって、それなりの品質では日本の消費者は基本的に納得しません。100円ショップが生き残っているのは、消費者が100円の商品に100円以上の価値を認めているからです。
4)販売価格相当のコストで生産
海外市場では、コストに見合う製造管理をします。例えば、海外の工場の責任者は、日本のバイヤーから不良品率を下げるように要求されると、検品を厳しくするとコストが上がるので仕切り価格のアップを要求してきます。昨今、毒入り餃子やピザが発覚したときは、現地の生産者は日本の価格要求に見合う品質で供給することがわかりました。品質管理や製造工程に不具合があるのではなく、価格相当の材料と工程で日本向けに出荷すると理解しました。