つらい時の思い出が経年変化して | 団塊世代の"愚考にため息"

団塊世代の"愚考にため息"

ふと思い出す過去の出来事と後悔。次々と、浮かんでは消えていく愚考を書きとめていけば、いつかはネタ切れになるはず。きっとその後は、良き日々の思い出だけが浮かんでくるにちがいない。

初めて、そして独りでヨーロッパに行き1週間滞在したことがありました。ドイツ企業の本社役員による面接でした。

時差ぼけで睡眠不足のなかで面接前夜は、予想される質問に対する答えを何回も復唱していました。会議室で数人のドイツ人に囲まれての質疑応答を想定した準備をしていました。未経験でアドバイザーもいない状況で実際には何もできなかったのですが、とにかく緊張だけしていました。

指定されたホテルのチェックインするとメッセージがあり、翌朝ホテルのロビーで待つことになりました。翌朝、指定の時間に1人現われ、その人を朝食をとりながら世間話をしました。小一時間の歓談のあと、面接の件を質問したところ、面接はこれで終わりだといわれ、次回日本にいったときに契約書にサインしてもらうといわれました。

先行き不透明さを予感させる始まりでした。その後、朝7時から夜11時まで、ほとんど休日もなく、世界一周を月に2回もするようなハードな生活を5年経験しました。楽しい日々もありました、つらい時もありました。湯水のように経費をつかいました。使った分の20倍は会社の営業利益に貢献しました。そして今では、つらい時の思い出が経年変化して、つらさが希薄化して懐かしさに変わっています。