システムエンジニアと「ゆで蛙」 | 団塊世代の"愚考にため息"

団塊世代の"愚考にため息"

ふと思い出す過去の出来事と後悔。次々と、浮かんでは消えていく愚考を書きとめていけば、いつかはネタ切れになるはず。きっとその後は、良き日々の思い出だけが浮かんでくるにちがいない。

小学生には衝撃的な実験

新宿にあるIT企業の月例全体会議で、お隣の国から来日し休日を半分返上して仕事に打ち込んでいるシステムエンジニアが、自国で学校で教えているらしい(だれもが知っている)教訓を披露した。いわゆる「ゆで蛙」の話である。

小学校の理科の実験室によくある、ビーカーに水をいれ下からアルコールランプで熱する実験である。このビーカーに生きたカエルをいれて、ゆっくり熱を加える実験を小学校でするそうである。

ビーカーにはふたがないので、カエルは命の危険を感じれば飛び出すことができるのだが、水がゆっくりとお湯になっていくので、カエルはノーアクションで昇天してしまう。

この高度情報処理技術者は、小学生のとき、教室で涙を流して教師にカエルの助命を訴えたという。指導要綱のとおり、カエルは昇天。以後、この教訓は児童の心に鮮明に焼き付くことになる。(今のままではいけない、温室のような環境に満足していてはいけない、向上心をもたなくてはいけない、危機は徐々にやってくる、無策だと取り返しがつかなくなる)

「戦争を知らない子供たち」に孫がいるような今の日本の小学校でこんな実験をしたら、すでにお湯に浸かって「ゆであがる寸前の教育ママ」たちが、大騒ぎをすることだろう。

カエルたちの命をかけた諫言を、お隣の国の児童は涙を流して聞いているのである。
現状を打開する積極性という面でも、我が国は昭和20~30年代のハングリーな精神をすでに失っているのかもしれない。