本題は後にして、先日記事に出した
KENMOORは順調に乾燥中です、明日には履き下ろせるかと。
ただこの靴なんですが……、臭いです。
化粧品ようなむせ返る饐えた甘い臭いがします。
この臭いには嗅ぎ覚えがあるんですよねぇ。
以前古いパイプを収集していたんですが、
アメリカから古いパイプ(エステートパイプと呼ばれます)
を買うと、大体チョコレート臭(バニラフレーバーの煙草の匂いです)か、
この化粧品のような臭いがしてたんですよ。
てっきり煙草の臭いだと思ってたんですが、
靴からするとなるとこれ一体何の臭いなんでしょうね。
それとも靴の横でパイプ吹かしてたんでしょうか。
パイプの場合ですとアルコール蒸気で、
木目にしみこんだこういった臭いは取れるんですが、
靴にまさかアルコール蒸気ぶっかける訳にも行きませんしねぇ。
スチームクリーナーでも靴がぶっ壊れそうです。
地道にシューツリーで脱臭するしかないかもですね。
しかし丸洗いでも取れないとは、ステッチや革の深くにまで浸透してるのかな?
では本題。
以前より写真を出していたこの靴なんですが……
どういう靴かといいますと、
古いチャーチの靴です。旧旧旧ロゴよりも古いんでしょうか?
便宜的に旧旧旧旧ロゴとでも呼びましょう。
字体も旧旧旧ロゴと同じですね。
下の方はおそらくMADE IN ENGLANDとLEATHER UPPERと書かれていると思います。
サイズは9 1/2F、73はラスト番号でしょうか。
だとすると伝統の73ラストですね。
チャーチには珍しく、ヒドゥンチャネルのように見えます。
写し損ねましたが、ヒール付近にもサイズ表記があります。
ですがこの靴……
!?
まさかすくい縫いの糸が切れてアッパーとウェルトが分離してる!?
ファッ!?
おわかりいただけたでしょうか?
何とセメントです。
しかもわざわざウェルトに相当する部品まであります。
凝った作りだと思いますねぇ。
一応英国靴でセメントなのはチーニーのを所有しています。
それはまたいずれアップしますね。
というかウェルトがあると思って買ったんですよこの靴。
それがウェルト擬態のパーツだったとは……。
わざわざウェルトのようなものを付けたのは、装飾でしょうか?
クォーターブローグとなるとドレスではありませんし、
コバの張り出しも必要でしょうから、
セメント製法の場合不要であるウェルト様パーツを装飾として付けたのでしょうか。
まぁ、セメントなら自分で修理しちゃいましょう。
靴用ボンドは発注しました。
なんでわざわざセメント靴を修理するかって?
このアッパー。すっごい柔らかくてモチモチなんですよ。
この皴の入り方からするとキッドスキンでしょうか。
キッドスキンの靴は写真でしか見たことがないので、断定はできませんが。
今度キッドスキンの手袋でも買って比較したいですねぇ。
後、かかとの芯が土踏まず辺りまで来ているかなり凝った作りなんです。
なので捨てるに捨てられません。
というか修理して履くのが本当に楽しみなんですよねぇ。
接着が終わったらまたアップします。