デビュー当時のコンプレックス。 | 清貴(KI-YO)の音楽冒険記

清貴(KI-YO)の音楽冒険記

-世界に挑む音楽侍-

最近感じる事を書き留めておこう。

 

 

僕は17歳でデビューして間もなく、世間の脚光をあびる事ができた。

今思うと本当にラッキーだったなと思う。デモテープが認められてから、すべてトントン拍子でデビューが決まった。

 

 

どんどん周りの色々な事の規模が大きくなっていく中で、下積みがない事がコンプレックスだった。地道にライブ活動を重ねたり、デビューする前の苦労話というのが僕にはなかった。

 

 

負け惜しみとかでは全くなく、本当にそのまま売れていなくてよかったと思っている。

そのままセールスだけがうまくいっていたら、僕が今作る曲は、薄っぺらい、説得力に欠けるものだったろう。

人間、どんなに誰かのようになりたいと願っても、近づこうとしてどんなに本を読んでも、代われない事がある。それは経験だ。

 

 

これは僕の持論であるが、「失敗がたくさんある人間は面白い」

立派な成功談や自慢話は、「へぇ」とはなるが面白くはない。

 

 

失敗や挫折がたくさんありながら、こんなにも笑顔が素敵なこの人はどんな人生を送ってきたんだろうってもっと話を聞いてみたくなる。

 

 

音楽を聴いていても、他の様々な表現物を味わっても、この作品を作った人は、こんな人生を歩んできたんだろうなというのが見えると、もっと好きになるし、もっと知りたくなる。

逆に、あぁこれは完全に周りに作られたものだなとか、なんとなく形式的に作ったんだなというものもより感じるようになる。

 

 

「これから長い音楽人生のために、若いうちにもっといろんな事を経験して来なさい」というお告げだったんだと思う。どん底を味わって、悔しい想いを重ねて、人の苦労や、痛みをより感じれるようになった。

誰かの気持ちになって、物事を考える。

音楽を作る人間として、なくてはならない感覚だと思っている。

 

 

 

だって自分のために作る音楽は、喜びも一人分。

誰かのために作る音楽の喜びは、無限大∞だから。