ゴスペル界で一番好きなソングライターは?と聞かれたら間違いなく僕は、Richard Smallwoodを上げるだろう。
初めて「Total Praise」を聴いた時の魂が震えるあの感覚を今でも忘れられない。
あのハーモニーが幾重にも重なり、移り変わりながら、クライマックスに向かって想いの高まりと共に上昇していく、あの天まで届くかような高揚感。
そして、「Center of My Joy」はぼくがアメリカに来て一番最初に歌いたいと思った曲。メロディーの美しさ、完成度に加え、歌詞が当時色々な迷いを抱えていた僕の心を救ってくれた。
ホイットニー・ヒューストンが「Preacher’s Wife」という映画で歌って一躍有名になった「I Love The Lord」も彼の曲。ハーモニーの崇高なまでの美しさとホイットニーの歌唱がツボにハマり過ぎて、高校時代に何千回と聞いた。この映画のサントラの中でも、特に好きだった曲。実はこれが彼の作品だとは、今日リチャードの話を聞いて初めて知った事実。
そんなリチャードが、なんと僕もリハーサルで歌っているFCBCというハーレムで一、二を争う大きな教会に歌いに来たのだ。これは僕にとっては奇跡のようなことで、このNYにいるタイミングに、まさか僕の一番尊敬しているソングライターのリチャードが来るなんて。
今回はパネルディスカッションもあり、彼の音楽に対する想いにもとても感銘を受けた。
特に印象に残っているのが、彼が作曲の一番の原動力を「Pain(痛み)」だと言っていたことだ。そもそも痛みを感じなかったら救いを求めることもないだろう。
僕も音楽というのはある意味「救い」であり、自分自身が何度も病気や困難に直面した時、音楽に救われたために音楽家になろうと決意したので、とても共感した。
今回、リチャードに会えたことでまた一段音楽への想いが強くなったと感じた。
本当に今回の旅は何かに導かれてるとしか思えない。
僕の一番好きなゴスペルソング「Total Praise」はリチャードの代表曲。