私たちは身体に不調があると、
ついこう思ってしまいます。
「なんでこんな反応になるんだろう」
「どうして私は緊張してしまうんだろう」
「早く元に戻さなきゃ」
「こんな身体は駄目だ」
けれど身体を観察していると、
少し違う見え方が出てきます。
それは、
身体は間違っているのではなく、
その時点で必要だと判断した反応をしている
という見方です。
たとえば、
肩が固まることもあります。
呼吸が浅くなることもあります。
朝、身体が重くて動きたくない日もあります。
人の前で急に緊張することもあります。
こうした反応は、
自分では困るものに感じるかもしれません。
でも身体からすると、
それはただの失敗ではなく、
何かを守るための反応かもしれません。
緊張するのは、
危険を避けようとしているのかもしれない。
固まるのは、
これ以上消耗しないようにしているのかもしれない。
動けないのは、
無理に前へ進むより、今は止まる方が安全だと感じているのかもしれない。
身体は、頭で考えるより先に、
環境や空気や関係性を感じ取ります。
だから本人は
「そんなつもりはない」
と思っていても、
身体の方はすでに反応していることがあります。
このとき大切なのは、
今の反応をすぐに消そうとしすぎないことです。
つらい症状をそのまま放っておけばいい、
という意味ではありません。
ただ、
「こんな反応は間違いだ」
と決めてしまうと、
身体との関係が対立になりやすいのです。
身体は、本来こちらの敵ではありません。
むしろずっと、
その時その時で
いちばん無理の少ない方法を選ぼうとしていることがあります。
だから不調を感じたとき、
まず必要なのは
改善の前に観察かもしれません。
- いま、どこに力が入っているのか
- 呼吸は止まっていないか
- 重心はどこにあるか
- その場を安全だと感じられているか
- 誰かの前で、自分を小さくしていないか
そうやって見ていくと、
今まで「悪いもの」だと思っていた反応が、
実は意味のあるサインだったと分かることがあります。
もし、文字だけでは伝わりきらない部分を
実際の雰囲気で感じてみたい方は、
こちらの動画もご覧ください。
身体は、
言葉で説明する前に反応しています。
だからこそ、
身体を責めるより、
身体が何を守ろうとしているのかを見る方が、
回復にはつながりやすいのだと思います。
無理に変えるより、
まず知ること。
正そうとする前に、
なぜそうなっているのかを感じてみること。
それだけでも、
身体は少しずつ安心し始めます。
身体はいつも完璧ではないかもしれません。
でも、
間違っているとも限りません。
その反応には、
その反応なりの理由があります。
身体を敵として扱うのではなく、
ひとつの大切な感覚として見直していくこと。
そこから、
本当の意味での変化が始まることがあります。
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書籍
『身体は、もう答えを知っている
― 考えすぎる私たちが〈感覚〉を取り戻すとき ―』
出版しました。
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