黄八丈の事 | 鴇色は永遠に!

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きものの師匠清水ときの教え、自分の好きなきもの、そしてきもの好きな友達の事や田舎の古民家の日常をつらつらと綴っています。

最近拝読させて頂いている素敵なブログがある。お顔も知らないブロガーさんだけれど、文章のタッチやストレートな言葉の使い方がとっても好きで、ウンウンとうなづきながら拝読している。

その彼女がお蕎麦屋さんのきものって言う黄八丈のことをちょっと書き留めて置こうと思う。

昔からの柄行きの黄八丈は鬱金色に焦茶や褐色に近い赤等で格子模様が織り込まれている。平織も有るし綾織も有る。


トキ孫の持っているのは左側平織、右側綾織。

これをオシャレに着るのにはどんな取合わせが良いのか?


はっきり言って、昔の黄八丈は可愛らしくは着られるがオシャレには向かないきものだ。元々江戸時代武家大名や大奥の女中さんのきものだった。若い女中さん達が着ていて素敵だったから、江戸後期に庶民である大店のお嬢さん達が真似をして流行したきものだ。若いお嬢さんが可愛らしく着るからこの黄色に赤や茶の格子が素敵に見える。


還暦前後のオババがこれを着て街中に出没すれば、よっぽどお顔が綺麗な方かスタイルの良い方でなければイタイなぁ〜😅


トキ孫はお稽古の時に着たりはするが、お洒落着としては着用しない。黄八丈といっても、現代風にアレンジされた黒八丈や鳶八丈、吉野織等ならお出掛け着として楽しめるが…



上2枚はお稽古の時の取合わせ。下は去年のお正月に着た働く為のきもの。黒い割烹着は汚れが目立たないから好き。半幅帯でお家きもの。


羽織を羽織ってお詣りに行ったんだっけかなぁ?


光が当たると金色に輝く黄八丈。黄色単色で綾織の物をオシャレに着こなしているマダムに遭遇した事がある。帯何色だったかも覚えていないが、黄色が金色に光ってカッコいいって思った。年齢が高くなったら、昔ながらの格子の黄八丈はお家きもので楽しめば良いと思う。


お蕎麦屋さんのきもの…普段着のきもの…働くきもの…お家きもの

彼女の言ったお蕎麦屋さんのきものは的を得ている。彼女には社交着としての訪問着や付下げをそれこそオシャレに着こなして貰いたい。それを眺めるのがトキ孫の密かなる愉しみなんだから😊