土日祝日は
ランチ頃から
おやつ時間頃の
更新になります
本日は遅くなりましたが……
途中からなので
下記☟
”これまで”を
お読み頂けたら
嬉しいです
はじかれ者中学生3人が『禁忌の石段』の謎を解くミステリー小説
☟前回文末部分
「未だに、後悔は消えない。けど、書斎に籠っていた夏、父さんに励まされた」
「え、お父さんって……」
織田村は、怯えにも似た戸惑いを見せる。
「幽霊じゃねぇぞ」と、矢儀は吹き出した。
「ノートだよ。父さんの、最後の研究ノート」
「何が書いてあったんですか?」
「たぶん、フィールドワークで得た情報ばっか」
「たぶん?」と、織田村の顔に、再び戸惑いの色が浮かぶ。
「とても読めた字じゃなかったけぇ」
☟本日更新はここから
今、思い出しても、笑えてくる。
「もともと字は下手だったけど。でも、最後のほうのページは、字じゃなくて暗号じゃったの。それも、ほぼ解読不可能な暗号で、参ったよ」
一拍おいてから、矢儀は、ぽつりぽつりと、思い出すように話す。
「でも、そんな暗号みたいな文字しか書けんような状態の時も、現地に足を運んでてさ。まともに書けんのに、必死でノートを取っちょったなんて――呆れるを通り越して、笑えてくるじゃろ」
思わず、口元が緩む。
「本当に呆れたし、ちょっと救われた。父さんが、最後まで、遊びに熱中する子供でいられたことに。そして――遊びに熱中する子供でいていいって、励まされた気もした」
〜続く〜