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イラスト:炭酸水
途中からなので
下記☟
”これまで”を
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嬉しいです
はじかれ者中学生3人が『禁忌の石段』の謎を解くミステリー小説
☟前回文末部分
「うちの父親は、民俗学が専門の大学教授やったんよ。しかも、趣味は、郷土史の研究という、根っからの研究者でさ。父さんと外に遊びに行く時は、決まってフィールドワークの現場やった」
後ろを歩いていた織田村が、横に並ぶ。どうやら、興味を持ってくれたらしい。
「でも、俺もついて行くのが、楽しくての。知らない土地に行くのはもちろん、その土地の成り立ちを地形から教えてもらったり、地元の人の話を横で聞いたりするのも、興味深かった。俺には、近所の子と、サッカーやゲームをするよりも、よっぽど、楽しかったんだ」
☟本日更新はここから
「でも――」と、矢儀は、苦い思い出を、ぽつぽつと語る。
「小学四年生くらいになってくると、さすがに自分が周りとズレちょるって、わかってきてさ」
「部長でも、周りを気にする時が、あったんですか」
織田村が、真面目な顏で、口を挟む。
「今でも、多少は気にしちょるぞ」
念のため言い置いて、矢儀は話を続けた。
「小学生じゃったしの。同級生が、ゲームだ、マンガだ、サッカーだ、って盛り上がっちょる横から、道祖神について熱く語ったら、そりゃ浮くよの」
〜続く〜