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イラスト:炭酸水

 

 

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はじかれ者中学生3人が『禁忌の石段』の謎を解くミステリー小説

ケ・ハレあらすじ

まずは、あらすじから読んでいただけると嬉しいです

 

①ケ・ハレ 序章(神の放物線)

学校内転落事故のゆくえ

②ケ・ハレ 第一章(禁忌の石段)

その石段、通るべからず

 

③ケ・ハレ 第二章(上の秘密)

石段の上の秘密

 

 

 

 

☟前回文末部分

 

「……でも、(ごう)(けん)存続(そんぞく)のための頭数(あたまかず)は、大丈夫(だいじょうぶ)なんですか?」

 まさか、()の存続を気にしていたとは。上目遣(うわめづか)いに()いてくる織田村と目が合う。矢儀は思わず、口元(くちもと)(ほころ)んだ。

「そのへんは、どうにかするよ」

「……部長(ぶちょう)(まえ)()きっぷりって、ある意味(いみ)(しあわ)せですよね」

 おそらく皮肉(ひにく)(ふく)んでいるのだろうが、矢儀は気にしない。

「……(とう)さんから、(おそ)わったんだ」と、(わら)()ばす。

 

☟本日更新はここから 

 

 

「え? お父さん?」

 織田村(おだむら)は、歩きながら、きょとんとした面持(おもも)ちで見つめてきた。

(おれ)さ、(おさな)(とき)から、父さんのフィールドワークへくっ()いて行くのが、(なに)より(たの)しくってさ」

「お父さんも、郷土史(きょうどし)研究(けんきゅう)をされているんですか?」

 まさかの質問(しつもん)だった。()()は「あれ?」と、こめかみを(おさ)える。

「俺、父親(ちちおや)について、何も話しちょらんかったっけ?」

「ええ」と(こた)えた(あと)、織田村はまた、とんちんかんなこと口にする。

兼行(かねゆき)先輩(せんぱい)は、知っているんですか?」

「兼行? ああ、たぶん、知っちょると思うけど?」

 質問の意図(いと)がよくわからない。

 頭上( ずじょう)では、野鳥(やちょう)(たか)()きが(ひび)(わた)る。道祖神(どうそじん)までは、もう少しかかりそうだ。

「んじゃあ、退屈(たいくつ)まぎれに、(おれ)()上話(うえばなし)でも()いてくれ」

 

 

 

〜続く〜

 

 


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