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はじかれ者中学生3人が『禁忌の石段』の謎を解くミステリー小説

ケ・ハレあらすじ

まずは、あらすじから読んでいただけると嬉しいです

 

①ケ・ハレ 序章(神の放物線)

学校内転落事故のゆくえ

②ケ・ハレ 第一章(禁忌の石段)

その石段、通るべからず

 

③ケ・ハレ 第二章(上の秘密)

石段の上の秘密

 

 

 

 

☟前回文末部分

 

 昨日、兼行(かねゆき)と話した鷹の台の歴史(れきし)について、まずは、織田村にも(つた)える。

「そもそも鷹の台は、戦後(せんご)()()(しゃ)のために(ととの)えられた土地(とち)なんよ。分水工(ぶんすいこう)(そば)看板(かんばん)にも書いてあったやろ。『高台(たかだい)に引かれた()(せん)は、その後、戦後(せんご)開拓(かいたく)の地となった鷹の台へ水路(すいろ)()ばし、今に(いた)る』って。つまり、鷹の台が人の住める台地(だいち)となり、道路(どうろ)整備(せいび)されたのは、近年(きんねん)の話なんっちゃ」

「じゃあ、今日(とお)ってきた迂回(うかい)()は?」

 織田村は、すかさず()いてくる。

 

 

☟本日更新はここから

 

 

 矢( や)()は、結論(けつろん)から口にした。

迂回(うかい)()がメイン道路(どうろ)になりえない理由(りゆう)は、移動(いどう)手段(しゅだん)徒歩(とほ)やから。(くるま)自転車(じてんしゃ)なんてなかった時代(じだい)だ。わざわざ遠回(とおまわ)りになる道を、あえて(えら)ばんやろ。それに――」

 矢儀は手に持っていた(えだ)で〝(たか)(だい)〟の(いし)下側(したがわ)に、少し大きめの(まる)()く。丸の中に、カタカナで〝ソノ〟と書いた。

(その)南側(みなみがわ)には、昔は(なん)もなかった。ちょうど、ここに来るまでに、話題(わだい)にしたやろ」

 わかりやすく〝ソノ〟の下側に、バツを描く。

「じゃけぇ、今みたいに、園から町へ出ることは、昔はできんかったんよ。つまり、未遠(みとお)から町へ出るには、()()(とお)るしかなかった」

 枝を〝未遠〟の石から〝()保中(ほちゅう)〟の石へと(うご)かした矢儀は、(あらた)めて織田村(おだむら)兼行(かねゆき)に向き合う。

結局(けっきょく)時代(じだい)地理的(ちりてき)なことを考えると、未遠の(そと)(つう)じるメイン道路は、峠越(とうげご)えしか(かんが)えられん」

「でも、峠を()える道なんて、どこにあるんですか?」

 眉根(まゆね)()せる織田村に、「手がかりならある」と、矢儀は、()(みち)()(かえ)った。

「山の中で見た、(いびつ)直方体(ちょくほうたい)の石。あれはおそらく、道祖神(どうそじん)だ」

 

 

 

〜続く〜

 

 


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