途中からなので
下記☟
”これまで”を
お読み頂けたら
嬉しいです
はじかれ者中学生3人が『禁忌の石段』の謎を解くミステリー小説
☟前回文末部分
「俺たちは、今日は、鷹の台を迂回して来た」
枝を〝鷹の台〟の石の右側を滑らせ、〝未遠〟の石に持ってくる。
「昨日は、鷹の台を越えた」
今度は〝鷹の台〟の石の上を通って、枝を〝未遠〟の石に持ってくる。
「ただ、この二つの道は、どちらも、未遠に入るかつてのメイン道路じゃなかった」
「なぜ、言い切れるんですか?」
☟本日更新はここから
織田村が、不思議そうに首を傾げる。
「――ああ、そっか」
少し間をおいて、矢儀は思い出す。
「おまえ、昨日は、遅れて部室に来たんだっけ?」
「遅れてはいませんよ。いつも通りです。ホームルームが終わったら、すぐに来ました」
何やら、含みを感じる棒読み。矢儀はやれやれと、上目遣いに睨んでくる織田村から、視線を逸らせた。
とりあえず、鷹の台のことを知らなければ、話は先に進まない。
昨日、兼行と話した鷹の台の歴史について、まずは、織田村にも伝える。
「そもそも鷹の台は、戦後、引き上げ者のために整えられた土地なんよ。分水工の傍の看板にも書いてあったやろ。『高台に引かれた派川は、その後、戦後開拓の地となった鷹の台へ水路を伸ばし、今に至る』って。つまり、鷹の台が人の住める台地となり、道路が整備されたのは、近年の話なんっちゃ」
「じゃあ、今日通ってきた迂回路は?」
織田村は、すかさず訊いてくる。
〜続く〜