途中からなので
下記☟
”これまで”を
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はじかれ者中学生3人が『禁忌の石段』の謎を解くミステリー小説
☟前回文末部分
「問題は――」
矢儀は、背後を振り返り、二人に問うた。
「この山を越えたら、どこへ出ると思う?」
西の空を背に抱く山並みは、すでに陰り帯びている。
兼行からも織田村からも返答はない。
☟本日更新はここから
矢儀は、今し方〝山〟と見立てた石を、再度、枝で指した。
「この石を〝仁保中〟に見立てるとする。鷹の台は、仁保中の南東に位置するから――」
手に持っていた残り二つの石の一つを〝仁保中〟から、右斜め下に置く。
「さらに、鷹の台の北側が未遠」
残り一つの石は、〝未遠〟に見立てて、〝鷹の台〟の上側に置いた。
三つ石で、歪な三角形ができ上がる。
「もしかして、この山の裏って――」
気づいたらしい織田村が、背後の山を見上げて呟いた。
「仁保中がある辺り?」
「そう」と、矢儀は〝未遠〟の石から〝仁保中〟の石へと枝を滑らせた。さらに、そこから〝鷹の台〟の石へと、枝を持ってくる。
「俺たちは、今日は、鷹の台を迂回して来た」
枝を〝鷹の台〟の石の右側を滑らせ、〝未遠〟の石に持ってくる。
「昨日は、鷹の台を越えた」
今度は〝鷹の台〟の石の上を通って、枝を〝未遠〟の石に持ってくる。
「ただ、この二つの道は、どちらも、未遠に入るかつてのメイン道路じゃなかった」
「なぜ、言い切れるんですか?」
〜続く〜