途中からなので
下記☟
”これまで”を
お読み頂けたら
嬉しいです
はじかれ者中学生3人が『禁忌の石段』の謎を解くミステリー小説
☟前回文末部分
「大昔、この辺りには、神社があったって聞くし。神子ってくらいだから、訪ねてきた者に、御神酒を振るまっちょったって、おかしくはないやろ」
「神社……?」
引っかかる何かを探るように、矢儀は聞き返していた。
「あ、ああ……らしいぞ。聞いた話やけど」
兼行の返答を背に、矢儀は、中央の広場を見渡す。
☟本日更新はここから
よく見ると、奥の、雑草がびっしりと覆い茂っている辺りは、土地が一段高くなっている。
「兼行先輩、よく知ってますね。池田さんでさえ、神社のことなんて、一言も口にしてなかったのに」
織田村が挑発的に聴く。
「そりゃあ、大昔にあった神社なんて、どうでもよくて、覚えてないんか、聞いてないんかじゃろ」
「なんで兼行先輩は、そんな大昔のことを知っているんですか?」
「聞いた話だって言ったやろ」
すでに兼行はキレ気味だが、織田村も引かない。
「誰から聞いたんですか?」
「ああ? だから……父親だよ。そもそも石段のことは、父親から聞いたんだって」
「お父さんは、昔、この辺りに住まれていたんですか?――もしかして兼行先輩も?」
「は? 父親って言ったって義理だ」
兼行は、やけくそ気味に答える。
「二年前に結婚した母親の相手ってだけ。あの人が昔、どこに住んでいたかなんて知らんし、そもそもそんな話さねぇし。ってか、今日はやけにつっかかるじゃねぇか」
〜続く〜