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はじかれ者中学生3人が『禁忌の石段』の謎を解くミステリー小説
☟前回文末部分
「下を見てみろ」
兼行が、織田村に指図する。当然、織田村は不審がり、矢儀に助け舟を求めるような視線を向けてきた。
「いいから、見てみろって」
兼行にしつこく言われ、織田村は仕方なしに石段の下を覗き込む。と、同時に、いきなり兼行に背中を突かれた。近くで見ていた矢儀も、驚きのあまり声が出ない。
☟本日更新はここから
とはいえ、織田村が、石段を転げ落ちることはなかった。兼行は、背中を突いてすぐに、華奢な肩を掴んでいた。
「な、な、な、何すんですかっ!」
織田村は、顔を真っ赤にして怒り狂う。
「ほら、落ちそうになったじゃろう」
「なっ! あ、当たり前じゃないですかっ!」
「俺はそれほど強く押しちょらんよ。軽く背中を突いただけけっちゃ。それでも、バランスを崩して落ちそうになったじゃろ」
織田村は金魚のように、口をパクパクと動かすだけだった。怒りのあまり、声にならないらしい。
兼行は気にせず、喋り続ける。
「この石段は、狭いし、急やし、見下ろすと、吸い込まれるような錯覚を起こす。もし、酒なんか飲んで酔っぱらっちょったら、お前が言うように、下まで簡単に飛べると思うかもしれん」
〜続く〜