土日祝日
午後の更新になります
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サクッとどうぞ(笑)
途中からなので
下記☟
”これまで”を
お読み頂けたら
嬉しいです
はじかれ者中学生3人が『禁忌の石段』の謎を解くミステリー小説
☟前回文末部分
「まぁ、そんなに怖がらなくても」
矢儀は苦笑混じりに呟く。
「石段の祟りも、山神様も、おそらく未遠には必要な歯車だったってだけさ」
「はい? 何か言い――うわあぁっ」
織田村は呆気なく滑り落ちる。と言っても、落下距離三十センチか。
☝ここまでが前回でした
「兼行、悪ぃ。織田村を下から支えてやってくれん?」
このままだと、織田村は永遠に登って来れなさそうなので、兼行に協力を仰ぐ。
「ケツ持ちかよ」
ダジャレをきかせたつもりか。兼行は文句を垂れつつも、手伝ってはくれるようだ。華奢な織田村の背中と尻を支え、一気に上へと押し上げてくれる。織田村は見た目が小学生だけあって、ずいぶんと軽いらしい。矢儀は姿勢を低くして、下から伸びてくる細い手首を掴む。
か、軽いか?
なんとか織田村を引き上げることはできた。が、矢儀はそのまま地面に尻餅をつく。
兼行のヤツ、見かけによらず怪力だな。
へしゃげたカエルのように地面に這い蹲っている織田村の背後から、兼行がニョキと頭を出す。大した力も使わず軽々と上がってくると、兼行は、冷めた目で見下ろしてきた。顔には「どんくさ」と書いてあった。
5
下から見えた三段ほどの石段の先は、思いの外、しっかりとした道が残っていた。とはいえ、誰も通らなくなって久しいのだろう。地面には落ち葉が積り、地肌は見えにくい。
「よし、行ってみるか」
矢儀は、先頭を切って奥へと向かう。
〜続く〜