途中からなので
下記☟
”これまで”を
お読み頂けたら
嬉しいです
はじかれ者中学生3人が『禁忌の石段』の謎を解くミステリー小説
☟前回文末部分
「孫……」と、織田村が隣で呟く。と、いきなり前のめりになり、「男の子、ですか?」と老女に問う。
「いいやぁ、女の子じゃったよ」
唐突に性別を訊かれた老女は、目をぱちくりさせながら答えた。
「志乃さんに似て器量は良かったけど、たしか高校も辞めて、家を出て行ったんよ」
☝ここまでが前回でした
矢儀は後ろにいるであろう兼行を気にしながら、「すみません」と、強引に話の矛先を変えた。
「話を戻して申し訳ないんですが、四年前の事故について、おばあさんは〝フジヨシさん〟をご存知ですか?」
「何で知っちょるんね!?」
くわっと、もの凄い形相で、老女に睨み付けられる。
矢儀は「あ、いえ……」と、内心ドキドキしながら続ける。
「昨日も未遠の方たちにお話を聞いていて。四年前の事故の話になった時、フジヨシさんのお名前が出てきたので」
「……まぁ、未遠の者は皆わかっちょるんじゃけど」
真顔に戻った老女は、ふと虚空を見つめた。
「ただ、結局、本人は自殺してしもうて、真相はわからんままよ」
「え、自殺?」
矢儀と織田村の声が揃った。矢儀が慌てて問う。
「フジヨシさんは、すでに亡くなっているのですか!?」
「転落事故の一ヶ月後くらいじゃったかの。最近様子がおかしいっちゅうて、志乃さんが見に行ったらしいんよ。ほしたら、家の欄間に紐を掛けて、首を吊っちょったらしいわ」
〜続く〜