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はじかれ者中学生3人が『禁忌の石段』の謎を解くミステリー小説

ケ・ハレあらすじ

まずは、あらすじから読んでいただけると嬉しいです

 

①ケ・ハレ 序章(神の放物線)

学校内転落事故のゆくえ

②ケ・ハレ 第一章(禁忌の石段)

その石段、通るべからず

 

③ケ・ハレ 第二章(上の秘密)

石段の上の秘密

 

 

 

 

☟前回文末部分

 

余所(よそ)からだけじゃなくて、未遠(みとお)にも、神子を(たよ)って(うえ)に行く(もん)は、昔から一定数おってねぇ。なんでも、()てもろうた(もん)の話じゃあ、神子の言葉は、よう当たるんじゃそうよ。死んだ(もん)に会わせてもらえるとも言いよったかねぇ。他にも、(いた)みが取れたとか、体が楽になって(はね)()えたように(かる)うなったとか――」

 ふと、話が途切(とぎ)れる。

「それにしても」と、老女はフンと鼻先(はなさき)冷笑(れいしょう)()かべた。

「私が子供ン(ころ)には、たとえ(うえ)で視てもろうても、(けっ)して口にはせんかったがねぇ。いつ頃から、平気(へいき)で言いふらすようになったんか」

 

☝ここまでが前回でした 

 

 

 老女( ろうじょ)の顔の(しわ)はいっそう(ふか)くなり、蔑視(べっし)の色を(にじ)ませる。

(うえ)(もん)も上の者で、客が()えて行くと共に、ずいぶん(あつ)かましゅうなって。自分らは山神(やまがみ)(さま)の力をお()りできる特別(とくべつ)存在(そんざい)だとか、言い始めてねぇ。まったく、勘違(かんちが)いも(はなは)だしいわ」

 しまいには不快感(ふかいかん)(あら)わに、老女は思い切り(まゆ)をひそめる。

「じゃあ、四年前に転落死(てんらくし)した余所(よそ)の人も〝お客さん〟――だったんですか?」

 織田村( おだむら)が、確認(かくにん)するように()う。

「まぁ、ほうじゃろうねぇ」と、老女は淡々(たんたん)と答えた。

当時(とうじ)はまだ、神子(みこ)さんが一人残(ひとりのこ)っちょったしね。私も(くわ)しいことはよぉ知らんけど、事故(じこ)のあった一ヶ月くらい前から、(あし)しげく(うえ)(かよ)っちょったっちゅう話じゃけぇ。この(へん)は、余所者(よそもの)の車が通るだけでも目立(めだ)つから」

「もしかして――」

 織田村は一瞬(いっしゅん)躊躇(ためら)いを見せたが、ズバリ問うた。

「四年前の事故は、神子さんが“お客さん”に、何かした可能性(かのうせい)も考えられますか?」

 ()()内心(ないしん)ドキリとする。

 ところが、老女は、きょとんと目を(まる)くするだけだった。織田村は気にせず、(たた)みかける。

死者(ししゃ)()える、(いた)みが取れる、(はね)()えたように身体(からだ)が軽くなる――お聞きした神子さんの(みょう)な力は、どれも相手に思い込ませれば可能ですよね。となると、四年前も、例えば、石段の下まで飛べると思い込ませれば――」

「あんたぁ、おもしろいことを言うてやねぇ」

 老女が苦笑(くしょう)する。

 

 

〜続く〜

 

 


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