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嬉しいですニコニコ気づき

 

 

はじかれ者中学生3人が『禁忌の石段』の謎を解くミステリー小説

ケ・ハレあらすじ

まずは、あらすじから読んでいただけると嬉しいです

 

①ケ・ハレ 序章(神の放物線)

学校内転落事故のゆくえ

②ケ・ハレ 第一章(禁忌の石段)

その石段、通るべからず

 

③ケ・ハレ 第二章(上の秘密)

石段の上の秘密

 

 

 

 

☟前回文末部分

 

 矢儀は、角度(かくど)を変えて、再度(さいど)()うてみる。

「つまり――山神様の存在を知らない今の若い人たちは、まったく別の理由で、(うえ)をタブー()している、と?」

「別っちゅうわけでもないんよ。そもそもは、(うえ)()ついたあれらの先祖(せんぞ)が悪いんじゃけぇ」

 老女は不満(ふまん)そうに口を(とが)らせる。

 

☝ここまでが前回でした 

 

 

(うえ)は、山神(やまがみ)(さま)がおわす場所。人が好き勝手(かって)にやってええ土地じゃないんよ。なのに、あれらの先祖(せんぞ)は、そんな神聖(しんせい)な土地に家を()てたり畑を作ったりするけぇ、(ばち)が当たったんよ」

「罰? ……もしかして、(うえ)の人が二人も、石段から落ちて亡くなった件ですか?」

「まぁ、それは結果(・・)じゃろうねぇ」

 結果? 分かりにくい()(まわ)しだ。

 ()()は、投げかけやすい矛盾点(むじゅんてん)をついてみた。

「でも、四年前に亡くなった(かた)は、余所(よそ)の人だったんですよね?」

「こないだのは……」

 老女(ろうじょ)はスッと視線を()らせた。

(うえ)(もん)に何かされたんじゃろ」

 ねじ()がった口先をぼそぼそと動かす。

 しばらく黙っていた織田村(おだむら)が、「何か、とは?」と()って入った。

 老女は「そりゃあ、わからん」と、そっぽを向く。

「ただ――警察(けいさつ)は、本人が(あやま)って落ちたっちゅうことで、決着(けっちゃく)をつけたらしいけどねぇ」

どうやら、(みのる)美紀(みき)と同じ考えらしい。

()に落ちない点があると、お考えなんですか?」

 矢儀は、先に聞いた“フジヨシ”さんの名前は出さず、ただ軽く首を(かし)げてみせる。

「別に、私だけが思うちょるわけじゃあないんよ」

 背の低い老女は、強い視線で矢儀を見上げてきた。

未遠(みとお)の者なら、皆わかっちょる。()(かた)は悪いけど、(うえ)にゃあ、おかしい(もん)が多かったけぇねぇ」

 

 


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