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はじかれ者中学生3人が『禁忌の石段』の謎を解くミステリー小説

ケ・ハレあらすじ

まずは、あらすじから読んでいただけると嬉しいです

 

①ケ・ハレ 序章(神の放物線)

学校内転落事故のゆくえ

②ケ・ハレ 第一章(禁忌の石段)

その石段、通るべからず

 

③ケ・ハレ 第二章(上の秘密)

石段の上の秘密

 

 

 

 

「それより!」と、織田村はいきなり話題(わだい)を変える。

「昨日の話に出てきた幽霊(ゆうれい)部員(ぶいん)って、(だれ)のことですか?」

「え? おまえ、知らんの?!」

 大仰(おおぎょう)兼行(かねゆき)(おどろ)く。

「……誰も教えてくれないもんで。他に部員がいたなんて初耳(はつみみ)です」

「ふーん」と、兼行は、なんとも気のない返事(へんじ)をして、前を向く。それっきり、話は途絶(とだ)えた。

 

 

(☝ここまでが前回) 

 

 

 

 中途半端( ちゅうとはんぱ)無視(むし)をされて、織田村(おだむら)は、むすっと口を()げる。

「誰なんですか?」と、矛先(ほこさき)()()に向けてきた。

 兼行(かねゆき)が、前を向いたまま「(おし)えちゃら――ん」と答える。

「なんでですかっ!」

 織田村は、前を走る兼行に()ってかかった。

「だって、おまえ、()()がりそうじゃから」

 振り返った兼行は、口元(くちもと)がいやらしく笑っている。ちらっと視線(しせん)寄越(よこ)し、「想像(そうぞう)できるじゃろ?」と、相槌(あいづち)(もと)めてきた。

「舞い上がりそう」とは、()()(みょう)だ。矢儀は「確かに」と、口の(はし)で笑ってしまった。

「何ですか、舞い上がりそうって」

 どんな人物(じんぶつ)が頭をかけ(めぐ)っているのか。織田村は、不機嫌(ふきげん)な声を()げながらも、半分(はんぶん)(うわ)(そら)だ。

「おまえ、わかりやすいけぇの」と、兼行が()き出す。

「じゃけど、(だま)されんなや。俺は、ヤツの本当の顔を知っちょる。実はぶち口が悪いし、根性(こんじょう)もひん()がっちょるんじゃけぇ」

 自分だろ、と、矢儀は(むね)(うち)()()みを()れる。後が面倒なので、口には出さなかった。

 次第( しだい)(うす)くなる青空(あおぞら)に気が()く。(くだ)り坂のおかげで、(かみ)(しも)かと(なや)んだ場所までは、すぐに(もど)れた。ここからは、右手の山際(やまぎわ)注意(ちゅうい)(ぶか)く目で()う。だが、それらしき脇道(わきみち)は、まったく見当(みあ)たらない。少し、(かみ)まで行き過ぎただろうか。カーブを曲がると、少し視界(しかい)(ひら)けた。

「あ! いかにもな入り口!」

 いきなり、織田村が(さけ)ぶ。(おく)れて矢儀も気づく。右に大きく()(えが)いた道の先に、チラリと見える脇道(わきみち)。山の(ふもと)(えぐ)ったような入り口だ。

 

 

 


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