スミマセン
更新遅くなりました
途中からなので
下記☟
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嬉しいです
はじかれ者中学生3人が『禁忌の石段』の謎を解くミステリー小説
雲一つない秋晴れではあるが、今日は風が強い。行きは向かい風となり、おかげでペダルは一層重かった。振り返ると、織田村は案外ついてきている。兼行は、およそ五十メートル後方を、のらりくらりと来ていた。
石段はどのあたりだろうか。
矢儀は、左手の高台を見上げある。が、斜面を覆う木々がブラインドになり、まったく見当がつかない。
(☝ここまでが前回)
幸い、五十メートルくらい先に、左折する道があった。
途中からは小山に阻まれて見えないが、おそらく、高台に続くと思われる。
矢儀は、左へハンドルを切った。後方の兼行は何も言ってこなかった。
傾斜のきつい坂を上り、高台へ上がる。ただ、どうやら、石段よりはずっと上へ出たらしい。見渡す限り、見覚えのない寂れた荒れ野が広がる。すでに、民家は一軒もない。
矢儀は、二人が追いつくまで待った。
さて、上へ上がるもう一つの道は、さらに上か、それとも下か。
「どっちだ?」
坂を上ってきた二人に問う。兼行は、知らんとばかりにそっぽを向いた。織田村は、息が切れて、ただただへばっている。
「先に、上から見てみるか? せめて、道が大きく右へ曲がる辺りまでは行ってみようや」
矢儀は、およそ一キロ先を指し示す。返答は待たず、再び自転車を走らせた。
すでに平地面は、狭まりつつある。道も、車一台がぎりぎり通れるくらいの幅になっていた。もちろん、車の往来などあろうはずもない。
道を覆うアスファルトは劣化し、ひび割れもずいぶん目立つ。両側からは山の木々が迫り、陰鬱な影を作っていた。
あと、三百メートルくらいのところで、矢儀は、小学生みたいな奇声を上げる。
「うおおっ、何だ、あれ?! 石碑か? 説明板もある!」