初めての方はこちらもどうぞ→

 

 

 

 

表紙

 

 

途中からなので

下記☟

”これまで”を

お読み頂けたら

嬉しいですニコニコ気づき

 

 

はじかれ者中学生3人が『禁忌の石段』の謎を解くミステリー小説

ケ・ハレあらすじ

まずは、あらすじから読んでいただけると嬉しいです

 

①ケ・ハレ 序章(神の放物線)

学校内転落事故のゆくえ

②ケ・ハレ 第一章(禁忌の石段)

その石段、通るべからず

 

③ケ・ハレ 第二章(上の秘密)

石段の上の秘密

 

 

 

 

「そもそも占いなんて、当たるも八卦(はっけ)、当たらぬも八卦って、言うじゃろ」

「まぁね、信じ切って、多恵(たえみたいになりたくないし」

 多恵……?

 聞き覚えのある名前だ。

 

 

(☝ここまでが前回)

 

 

 友達の(となり)に座り直した女生徒は、軽く肩を(すく)めた。

「ってか、多恵(たえ)の場合は、それ以前の問題やった気もするけど」

「たしかに。躁鬱(そううつ)(はげ)しかったもんね。(うらな)いで、佐内(さない)くんとの相性(あいしょう)が最悪だって分かってから、ますますおかしくなっていったよね」

 佐内の名前が出てきて、矢儀はようやく気づく。そうか、多恵って――教室から転落死した岡屋多恵のことか。

「でも、正直、私は佐内くんに同情(どうじょう)するわ。多恵の執拗(しつよう)さって、ちょっと怖いくらいやったし――」

 言葉を切った女生徒と目が合う。気づいた友達も、矢儀に怪訝(けげん)な目を向けてきた。二人から向けられる、虫けらを見るような目。

 おっかなさと、聞き耳を立てていた()ずかしさから、矢儀はそそくさと、その場から退散(たいさん)した。なんだか先程(さきほど)から、(ぬす)み聞きをしてばかりだ。足早(あしばや)部室(ぶしつ)に向かう。が、途中(とちゅう)で、はたと思い出す。

 そうだった! そもそもは、部室の(かぎ)が開いてないんだった!

 どっと(つか)れが出た。一気(いっき)にいろんな情報が入ってきて、頭の中がごちゃごちゃする。

 ひとつ言えることは、藤津(ふじつ)が集めた情報は、なかなか正確(せいかく)のようだ。岡屋多恵の躁鬱(そううつ)病説(びょうせつ)は、どうやら本当らしい。

 

 

 


フォローしてね…